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2020年4月18日土曜日

[配信アルバムレビュー]  I.D.And Fly LooM「曲解の奇術師」


I.D.And Fly LooM「 曲解の奇術師 [Explicit]」
(2019/11/6)

1. カルーセルシンドローム  [公式PV]
2. 舌冒の風  [公式PV]
3. シュレーディンガーの猫のように  [公式PV]
4. アンリストカット  [公式PV]
5. オズワルドマイム  [公式PV]
お気に入り度:★★★★★★★★ (8/10)
(配信限定リリース 2020/5/25までこちらの公式サイトで無料ダウンロード実施中)



I.D.And Fly LooMの配信限定2ndミニアルバム。
今年の始めにライブを初めて体験してそのあまりの完成度の高さに衝撃を受けた
(レポはこちら)略してアイフラと呼ばれているアイドルグループの作品。
実は今作を含めたアイフラの配信音源を全て聴くきっかけになったのは、
こちらの公式サイトで実施されていた、期間限定での無料ダウンロード。
現在ライブをやることができない中でも、少しでも音楽を楽しんでもらいたいという思いで
全楽曲の無料ダウンロードを実施とは・・・なんて素晴らしい、なんて音楽ファン思いの、
なんて骨のあるグループなんだ!こんなん応援せずにはいられない!と強く思った。
自分みたいなライブこそが生きがいな者同士ならば少しは分かってくれると思いたいが、
もう毎日が辛い、中止などというニュースはもう見たくないし、
ましてやツイッターのTLなんかは今やとても見られたもんじゃない、
だがそんな中でも時々見ていたアカウントである「重金属と共にあらんことを」の
ヒゲ・スカイウォーカーさんのこちらのブログ記事で発見した驚きの情報。
おそらくメンバーや運営の皆さんは自分なんかよりもっと辛い思いをしてるだろうに。
そもそも運営できるのかという状況下でも、こんな出血大サービスをやってくれるなんて、
アイフラは絶望の闇の中に現れた一筋の光。まるで天使のようだ。以前ライブで見た時は
まるで堕天使のようだと思ったものだったが、これをもって正式に天使に昇格しました。

まず1曲目「カルーセルシンドローム」はイントロから重低音の響くハードロック系の
楽曲でありながらも、鍵盤の音色を生かした華麗かつ幻想的な編曲が素晴らしい。
以前とある音楽ブログでは幻想浮遊系というジャンルの曲を紹介していたことがあったが
対してこの曲は幻想疾走系と名付けたくなる。クサメロ満載で盛り上がりまくり。
2曲目「舌冒の風」は切ない雰囲気漂うミドルテンポ曲。曲名は絶望とかけてる?
歌詞はこちらの公式ブログでも紹介されているが、これは考えさせられるものがあった。
みんなが好きな味が全く好きになれない、みんなと同じ味にはしたくない、
分からないと離れていく人がいても私達はその全てを受け入れて突き進むといった内容。
これってアイフラの音楽そのものを歌っている曲ではないかと、そして作詞作曲担当の
西山プロデューサーは俺にとっては数少ない、音楽で気が合う人ではないかと思った。
この曲でいう「♪みんなが好きな味」とは個人的にはス〇ッツが真っ先に思い浮かんだし
「♪みんなが嫌う味」とは・・・メタラー好みの音楽?と思ってしまった。
「♪今日も他人がわからない」これには共感しまくりだ。
「♪今はどんな味がしても 昔みたく美味しく感じることはないでしょう」
やっぱり自分も昔の方がジャンル関係なく純粋に音楽を聴くことの楽しさを感じてたよなぁ。

3曲目「シュレーディンガーの猫のように」はジャズ歌謡テイストの楽曲。
歌い出しからニャー♪という鳴き声を聴かせたりで一見可愛く見える曲ながらも
歌詞をよく聴くとドス黒い。黒猫だ。陰陽座とも宅急便とも違うガチの腹黒猫。
なお曲名は配信サイトだと「シュレーディンガーの猫」だが「のように」が抜けた?
4曲目「アンリストカット」はサビの疾走感抜群のメタルナンバーで今作最大級の迫力。
曲名から察しの通りダークな世界観の曲ながらも狂気を芸術へと昇華した傑作。
現実にこんなストーカー気質の女に絡まれてしまったらヒエェェ~ッえらいこっちゃだが
それでも「♪みんなのSUPER STARの あなたを想う」と言ってくれるなら落ちてまうかな。
5曲目「オズワルドマイム」も疾走メタル系楽曲でテクニカルな速弾きを見せる
ピアノのメロディも含めて華麗さ抜群。歌詞もストイックでカッコいいが歌唱はもう一歩か。

あらためてアイドルグループでありながらアーティスティックかつ盛り上がり度抜群の
曲の数々に感激。ここまで楽曲が強いと感じるグループは滅多にいないレベル。
ロック系アイドルでいえばかつての当ブログイチ推しグループだったPASSPO☆と比べると
アイフラはどこか影を帯びた曲が多く、女性ヴィジュアル系ロックやメタルの要素が
入った曲が多いが、それも含めて芸術的で、なおかつ多彩なジャンルを含んだ音楽を
ポップに聴かせるという近年のアイドルらしい魅力も発揮できているので
これを機に少しでも多くの人に聴かれて欲しいところ。なんせ現在無料なわけですからね。
持ち歌の全20曲の中では1stミニアルバム収録曲の「錯覚の喜雨」は間奏部分が特に
たまらなくヒロイックでカッコ良過ぎな傑作だったし、さらに前身グループである
ダイヤモンドルフィーから継承した曲である「fake poker~生き様に賭ける道楽~」「SNAKE GIRL~勇敢愛心~」なども素晴らしい曲なので、一緒におすすめしたい。
ただライブでは良いと思っていたメンバーの歌唱に関しては、ソロパートの多い
2、5曲目辺りでは厳しいかなと思う部分もあったのはアイドル楽曲あるあるなのかなぁ。
やはりメンバーのパフォーマンスの魅力となると、ライブでこそ本領を発揮するものだ。
なのでどうか一刻も早くライブをやれる日が来て欲しい。それまでは今作の曲の数々を
聴き込みながら待ってますよ。無料ダウンロード企画をやってくれて本当にありがとう!






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