鬼束ちひろ「 シンドローム (初回限定盤)」 (2017/2/1) 1. good bye my love 2. 碧の方舟 3. 弦葬曲 4. Sweet Hi-Five 5. ULTIMATE FICTION 6. 悲しみの気球 7. シャンデリア 8. 火の鳥 9. good bye my love(acoustic version) お気に入り度:★★★★★★★☆ (7.5/10) 鬼束ちひろの7thアルバム。今作は1stアルバム「インソムニア」の頃に 戻ったかのように全曲バラード曲で、なおかつ歌詞も前半の曲中心に ダークな表現が多い。だがそれでも良質なサビメロに加えて これぞ歌姫と呼びたくなるほどの神々しい歌声があれば芸術となる。 特に歌唱に関しては活動再開後にみられるハスキーがかった声に加えて 初期の頃から聴かせてくれた伸びやかで美しい歌声も復活した。 5曲目「ULTIMATE FICTION」はその両方が融合した名曲。 Aメロ部分の荒涼感漂うハスキーボイスと低音中心のメロディから サビで一気にキーが上がり、編曲も盛り上がるにつれて歌声も透き通りながら突き抜けていく。 その後の間奏部分ではギターでこれまた荒涼感のある良メロを聴かせ 再びAメロへと戻る展開もお見事。今作のクライマックスといっていい。 そして最も心に響いた曲は実質ラスト曲となる8曲目「火の鳥」。 人生という名の終わらない旅を続ける、全ての人へ向けての応援歌であり その旅の途中に何度も味わった辛い思いを綺麗に洗い流してくれるかのような 歌詞のメッセージに癒される。「涙が溢れる貴方へ届け」と歌われたら 今まで涙の多い人生を送った者としてはそりゃ心に響く・・・ 同じタイトルの曲でもJAM Projectの「火の鳥」の壮大なプログレ風編曲と 比べると最初はアレンジが予想外に感じたものの、2度3度と聴き込むと アコースティック系の編曲で美しい歌声が一層響くと感じられた。 活動再開後の4th~6thアルバムの作風と比べると、やはり暗いという イメージは残ってしまう。4thアルバム収録曲「amphibious」などのように ロックにF〇CKIN'を連発したり和田アキ子〇してぇとつぶやくような曲は無いだけに。 個人的には10代の辛かった頃に今作を聴いていたらもっと心に響いたのかなと 思ったりもするが、それでもこの美しいメロディと歌声を存分に聴かされると 歌姫系ブログが紹介する作品としてはこれこそが王道だと感じさせられる作品。 でもたまにははっちゃけた曲を歌ってくれてもいいんですよ、 目の覚めるようなアップテンポ曲でこれぞガンガン眼科だと言わんばかりの曲も歌っていいのに。 こんなことを思ってしまう人はファンの中ではきっと少数派なんだろうなぁ。
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2017年5月4日木曜日
[CDレビュー] 鬼束ちひろ「シンドローム」
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