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2010年2月27日土曜日

[CDレビュー]  abingdon boys school「ABINGDON ROAD」



abingdon boys school「 ABINGDON ROAD」
 (2010/1/27) 

1. STRENGTH. 
2. PINEAPPLE ARMY 
3. and I love... 
4. JAP 
5. 蒼焔 -SOUEN- feat.BASI,サッコン,FUNKYMIC from 韻シスト 
6. 潮騒 
7. From Dusk Till Dawn -INCH UP- 
8. Siren 
9. BLADE CHORD 
10. キミノウタ
11. Sweetest Coma Again 
12. Gold Eclipse(インスト) 
13. Valkyrie -Lioleia Mix- 
14. nocturne(インスト)
お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)






約2年半ぶりのアルバムリリースとなった、abingdon boys schoolの2ndアルバム。
全編に渡って、メタルの要素を存分に取り入れた、ヘヴィなロックサウンドを聴かせてくれます。
これにメロディの良さとキャッチーさ、ポップな一面を加えつつも、それでいて、
一筋縄ではいかないような曲の構成、展開美を感じる曲が多いというのが素晴らしいです。
シングル曲においても、曲の展開、間奏、コーラスの入れ方などが、
どれをとっても絶妙、素晴らしいセンスを感じる「JAP」、
イントロや間奏で鳴り響く尺八の音、これがロックやメタルと見事に融合した「BLADE CHORD」
などは特に素晴らしいです。
アルバム曲では、シンセの音と激しいギターサウンドがイントロから炸裂、
このイントロの時点で最高に気持ちが高ぶり、そしてサビでは疾走感抜群のサウンドと、
「どうして人は互いを傷つけあうの」「肌や瞳の色が違っても 命の重さはどれも同じだから」
という歌詞が、すごく胸を打つものがある「PINEAPPLE ARMY」、
メタル色の強いサウンドに、Aメロ、間奏、サビごとに表情を変える曲構成が見事な「Siren」、
デジタルな要素を取り入れたヘヴィロック「Valkyrie」などが特に好きです。
他にも、ラップを取り入れた曲やバラード曲もありと、曲の幅が本当に広く、
これに関しては前作よりもさらに幅が広がった気がします。
そしてもちろん、ボーカルの西川さんの歌唱力も全く衰えを知らない、素晴らしい歌声。
歌唱力もさることながら、声質がこのサウンドにすごく合っています。
だから聴いててとても爽快感を感じますね。


最近メジャーで売れている、ヘヴィなロックをやってるバンドの中では一番好きです。
こういうバンドが活躍できるメジャー音楽シーンなら、やはり捨てたもんじゃないなと思えますね。
T.M.Revolutionとの2足のわらじは大変かもしれませんが、
これからもぜひ、2年に1枚はアルバムを出して欲しいなと思います。


2010年2月23日火曜日

[CDレビュー]  天野月子「天龍」



天野月子「 天龍」
(2004/1/21)

1. 劔 
2. 鮫 
3. 恋 
4. 骨 
5. 龍 
6. 天 
7. 蝶 
8. 月 
9. 虹 
10. 轍 
11. 枳
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)





天野月子の3rdアルバム。
まず、曲のタイトルが全部、漢字1文字。この時点で独特の世界観を感じます。
その曲タイトルや、ジャケット写真からして、和の要素を感じつつも、
曲の方は、オルタナティブロックをベースとしており、
そしてこのアルバムでは、1曲目「劔」の、イントロの時点から
ロックかつ、ブログレッシブな曲展開をみせてくれます。
そしてその1曲目とつながった2曲目「鮫」で一気に爆発、ヘヴィで荒々しく疾走する、
この2曲の時点で、一気にこのアルバムの世界へ引き込まれました。
ちなみに私はこの「龍」という曲を知ったのがきっかけでハマりました。
PVは、西洋風の時代劇(?)といえるような面白い作品で、
これまた独自のアーティスト性というものを感じさせてくれるPV作品でした。


そしてその後も、ロックをベースにしつつもさまざまなアプローチから繰り出される曲の数々は
とにかく、ドラマチックで、スケール感の大きな曲が多いです。
5曲目「龍」はそんなこのアルバムの真骨頂ともいっていい曲。
ラストにて初めて出てくる大サビ、「龍よ 舞い戻り 大地へいざない」といった歌詞、
そこでまさに、龍がこの世に降臨したかのような・・・
そしてそれに続く6曲目「天」は、ほとんどインストといっていい曲で、
その音をバックにセリフをつぶやくという曲。このバックの音というのが、
またとてつもない、展開美というものをこれでもかとみせてくれる・・・
この2曲はもう、圧倒的としか言いようがないです。
しかしその一方で、3曲目の「恋」や9曲目の「虹」といった曲では
ポップで可愛らしい一面もみせています。
さらには、8曲目の「月」、10曲目の「轍」といったバラード曲も素晴らしいです。


とにかく、全編通してのアルバムの世界観というものに、圧倒されました。
これは、まさに名前通り、彼女は月の世界からやってきた歌姫ではないかと・・・
そんなことを思ってしまうぐらいのスケール感を感じさせてくれる、そんな作品です。



(P.S)
そんな天野月子さんは現在、インディーズにて活動を再開したようですが、
つくづくなんでもっと世間的に評価されなかったのか、不思議でしょうがなかったです。
でもその理由、大ブレイクとまでいかなかった原因は、
決して実力的な問題ではなく、理由はただ一つでしょう。
たまたま、同じ時代に椎名林檎さんがプッシュされてしまったから。
実際作品を聴けば違うんですが、素人目には似てるように思われるのだろうかと・・・
個人的には、声質と、あと独特の品格の良さを感じる天野月子さんの方が好きですね。
それこそメディアや音楽雑誌などがこちらの方をよりプッシュしていれば、
もしかすると立場は逆転してたのではないかと思います。
彼女は運がなかっただけです。つくつぐ、世間的にブレイクするかしないかなんて時の運次第だ・・・


2010年2月21日日曜日

[CDレビュー]  上木彩矢「INDIVIDUAL EMOTION」


上木彩矢「 INDIVIDUAL EMOTION【初回限定生産盤】」
(2010/1/27) 

ディスク:1
1. introduction ~INDIVIDUAL EMOTION~ 
2. The Light 
3. To-The-Attack 
4. EMPTY 
5. Break my day
6. Dear my ...  
7. sokubaku LOVE 
8. CLAP YOUR HANDS 
9. 248 Mile 
10. I wish in your dreams
11. W-B-X ~W Boiled Extreme~
お気に入り度:★★★★★★★☆ (7.5/10)

ディスク:2 (ファン投票ベスト)
1. 世界中の誰もが 
2. I'm your side 
3. Can't stop fallin' in LOVE 
4. Crash
5. youthful diary
6. Whenever you're gone Today 
7. It's a beautiful day 
8. EVER SO SWEET 
9. フレンズ 
10. ☆シュビドゥビバ☆
お気に入り度:★★★★★★★★ (8/10)




上木彩矢の4thアルバム。レコード会社を移籍し、
そしてさっそく去年11月にリリースされた先行シングル
「W-B-X ~W Boiled Extreme~」が会心の作品だったので、
期待して聴かせていただきました。

まず今作では、イントロの1曲目や、3曲目などに代表されるように、
デジタルな要素が入ったロックが多く、前3作とは違う新たな路線を開拓しております。
そして、やっぱり今作においても歌唱力はさすがです。キレ味が抜群。

しかし・・・ 1曲1曲は決して悪くない、むしろ良いのですが、
無難にまとまり過ぎてるというか、なんかもう一つスケール感を感じませんでした。
4、7、8曲目あたりが似たように感じるなど、印象がかぶる曲が
チラホラとあったのに加えて、やはり歌詞がありきたり過ぎるのも
そう思った原因の一つだと思いました。
歌詞が良いと思ったのは7、11曲目ぐらいです。
7曲目ぐらいにはっちゃけた歌詞をもっと書けばいいのにと・・・
もはや歌詞を自作にこだわる必要は無いと思います。
唯一歌詞が自作でない、シングル曲の11曲目は歌詞もサウンドも
全てがこの中でダントツで良かったです。
こういった素晴らしい曲を聴くと、もっとすごいアルバムを作れるだろと、
彼女の素質から考えればまだまだこんなもんじゃないだろと、
そう思ってしまうのが、もう1歩だと感じてしまう理由かもしれませんね。
この作品はもしかすると、急いで作ったんじゃないかと思ってしまいました。
アルバムリリースを急がずに、先にシングルをもう2枚ぐらい出して、
その間にもっとじっくりアルバムを作り込んでいけばまた変わったんじゃないかと・・・


なお今作では、初回限定盤にはディスク2にて、過去のアルバム曲や
カップリング曲などから選ばれた、ファン投票ベスト盤が付いております。
(てか同時リリースのベストアルバムではなく、こっちのオリジナルアルバムにファン投票ベストが付いてるのか!)
こちらの収録曲については、とりあえず、「Crash」が収録されて良かったです。
個人的には「HAPPY GO LUCKY」(デビューシングルのカップリング曲)も入れて欲しかったですが。
この中で今回初めて聴いた曲は、インディーズ時代の曲「☆シュビドゥビバ☆」。
これは素晴らしい曲です! しかし、歌唱力が足りてないのが惜しい!
当時よりは今の方がはるかに歌がうまいです。できることなら再録して欲しかった。
この「☆シュビドゥビバ☆」のような、疾走感があり
なおかつ重厚なサウンドが聴ける、思いっきりパンチの効いた曲を
もっと作ってオリジナルアルバムにも収録すればいいのにと思いました。

どうか次作こそは、大傑作を期待しております。


2010年2月20日土曜日

[CDレビュー]  三枝夕夏 IN db「U-ka saegusa IN db IV ~クリスタルな季節に魅せられて~」


三枝夕夏 IN db「 U-ka saegusa IN db IV~クリスタルな季節に魅せられて~(初回限定盤)(DVD付)」
(2009/11/25) 

1. クリスタルな季節に魅せられて 
2. もう君をひとりにさせない
3. 雪どけのあの川の流れのように
4. 白のファンタジー 
5. 悲しい雨が降り続いても 
6. この世界に君がいるだけで
7. 夏の終わりにあなたへの手紙書きとめています 
8. precious memories
9. 誰もがきっと誰かのサンタクロース 
10. ごめんね 今もまだ君を愛してるから
11. いつも素顔の私でいたい 
12. ずっとずっと君の恋人でいたい
お気に入り度:★★★★★★★★ (8/10)




三枝夕夏 IN dbの4thアルバムにしてラストアルバム。
このリリースに至るまでの先行シングル曲は、微妙かなと感じる曲が
いくつかありましたが、しかしアルバム曲は良い曲が多かったです。
1曲目の「クリスタルな季節に魅せられて」にして一気に惹きこまれました。
疾走感を感じるサビから、ラストのコーラスまで構成が見事。
ポップなデジロックサウンドに、三枝さんの優しい歌声が乗った
1、2、11曲目などは特に、独特の魅力を感じます。
さらにバラード曲も、4曲目「白のファンタジー」といった曲は
しみじみと良いなと思わせてくれるものがあります。

ただ、1曲1曲は良い曲が多いですが、
全体的には無難にまとまり過ぎてしまったかなとも思いました。
個人的には、何が飛び出すか分からない面白さ、痛快さがあった前作の方が好きでした。
「君の愛に包まれて痛い」とか「愛のワナ」とか「Fall in love」とか好きだったのになぁ・・・
てか前作が一部であんな言われようされたらそりゃ無難な作品にせざるおえなくなりますよね。
アーティストの個性を認めないような一部の極端な物言いには本当にガッカリです。
そんな中、10曲目「ごめんね 今もまだ君を愛してるから」は、
シャッフルのリズムを取り入れた、どこか懐かしくもほのぼのとした
可愛らしい雰囲気の曲で、後半の曲では一番印象に残りました。


これで最後だというのはやっぱり惜しいですね。8年間お疲れ様でした。


2010年2月16日火曜日

[CDレビュー]  林明日香「初戀」


林明日香「 初戀(初回) (CD-EXTRA仕様)」
(2004/7/14) 

1. 初戀 (インスト) 
2. SANCTUARY~夢の島へ~ 
3. 小指 
4. 十二単 
5. 新緑 
6. もう一度あなたに会いたい
7. 凜の国 
8. ずうっと一緒 
9. 願い 
10. 花結び 
11. 風の凱歌
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)




林明日香さんの2ndアルバム。
全編通じて徹底的に作り込まれた世界観という感じだった1stアルバムと比べると、
和の要素は残しつつも、聴きやすい曲が増えた印象です。
本人作詞の曲が増えたことで、よりそんな印象を持ちました。
亡くなった祖母への思いを歌った「もう一度あなたに会いたい」は良い歌詞だと思いました。
そして、前作で感じたシングル曲とアルバム曲の温度差が、今作ではなくなり、
アルバム曲にもシングル曲に匹敵するぐらいの曲がいくつか入っていたのが良かったです。
アコースティックギター中心のサウンドにのせて、伸びやかな歌唱が聴ける「小指」、
和の要素とラテンの要素を見事に融合させた踊れる曲「花結び」は特に良かったです。


でもやっぱり彼女の曲の最大の魅力は、壮大なバラード曲。
以前にこのブログでやった、私的殿堂入り曲紹介というコーナーにて当時1位を獲得した、
「凜の国」は、絶世の超名曲です。まだ聴いたことが無い音楽ファンのみなさんは、ぜひ聴いてみましょう!


全てにおいてレベルが高過ぎるあまり、逆に万人ウケしないのだろうかとすら思えてくる・・・


2010年2月4日木曜日

[CDレビュー]  東京エスムジカ「World Scratch」



東京エスムジカ「World Scratch」
 (2004/9/22) 

1. 月影のワヤン 
2. 月凪 
3. 泥の花 
4. Standing On the Ground 
5. オレンジの実る頃 
6. Vida
7. World Strut 
8. レンガ通り 
9. 邂逅 
10. 百万年の愛の歌 
11. 月夜のユカラ 
12. 始まりに向けて
お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)





ボーカルの瑛愛さんと平得美帆さん、プロデューサーの早川大地さんによる3人組ユニット、
東京エスムジカのメジャー1stアルバム。


この作品を一言で言うならば、美しいツインボーカルのハーモニーによって歌われる、
さまざまな民族音楽の要素を取り入れたポップス作品。
1.2曲目ではしっとりとした、アジアンテイストな楽曲。
3曲目の「泥の花」では、アコーディオンの音が印象的な、ヨーロッパ風のポップス、
5曲目の「オレンジの実る頃」はスパニッシュギターなどの楽器が使われたラテン風ナンバー、
6曲目の「Vida」では、スティールパンという、
トリニダード・トバゴ生まれのドラム缶楽器を曲にとり入れた、カリブ風の音楽。
10曲目の「百万年の愛の歌」はインド方面の音楽が融合したような、大陸的なナンバー
などといったように、まさに、音楽の世界一周旅行といってもいいような、
そんな多彩かつスケールの大きい曲の数々が詰め込まれた作品となっています。
なんというか、本当に旅に出たくなるような曲ばかりですし、
それと同時に、世界はどこまでも広いんだと思わせてくれるような、そんな作品です。


その中でも特に素晴らしいと思った曲は、まずは11曲目の「月夜のユカラ」。
しっとりとした幻想的な雰囲気で、それでいてアジアとヨーロッパが融合したような無国籍、多国籍なサウンド。
こういう曲は、まさに彼らにしか作れないような曲といっていいでしょう。
そして、それをも超えるかのような作品が、2曲目の「月凪」。
どことなくアジアンテイストが漂う、切なくて、幻想的なサウンドと、
ボーカルの2人の声のあまりの美しさ。これらが見事に一体となったバラード。
全てにおいて果てしなく美しい、絶品の名曲です。
最後は、4曲目の「Standing On the Ground」。
全英語詞の作品で、洋楽っぽい、アコースティックな雰囲気のサウンドでありながら、
同時にとてつもなく壮大なスケール感を感じるような、そんなバラード曲。

「Thought life is a journey and journey is life
You journey a very long time
You journey through your prime」
(思っていたよ 人生は旅で旅は人生だと
旅は長く続くし 青春はずっと旅だ)

この言葉は、私の中の人生哲学といってもいいような言葉でございます。
この、旅を続けるという気持ちは、これからも忘れたくないです。


2010年2月2日火曜日

[CDレビュー]  m.o.v.e「Deep Calm」


m.o.v.e「 Deep Calm(初回限定盤)(CCCD)(DVD付)」
(2004/1/28) 

1. REALITY 
2. DEEP CALM 
3. Spiritual Tattooist 
4. RIOT GENERATOR 
5. My Sweetest Nightmare
6. MONSTER AMPLIFIER 
7. The Massive Quest 
8. Disabuse (インスト) 
9. Freezing Rain 
10. Blast My Desire
11. TWIST - Alice in Wonderland 
12. PURE MINDS 
13. RUNAWAY 
14. Personal Letter
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)





m.o.v.eの通算6枚目のオリジナルアルバム。
4枚目のアルバムまでは、トランスやエレクトロといった音楽をやっていたグループが
前作よりハードロック路線へシフトしたということで既に前レビューにて取り上げましたが、
それが今作では、あれだけすごかった前作以上にパワーを増したというのだから・・・


ポップスにゴシックメタルやシンフォニックメタルなどといった、さまざまなジャンルを融合させた音楽。
ギター、ドラム、電子音、ストリングスなどといった、ありとあらゆる楽器の音の集まりに、
motsuさんの激しいラップと、yuriさんの切なげなボーカル、これらが一つになって、
すさまじい勢いで突進してくるかのような音楽。もはやジャンル分類不能といっていい音楽。
歌メロはJ-POP的で、聴きやすさも兼ね備えていながらも、
それでいて、他のどのアーティストを探しても無いような、唯一無二の音楽。
とにかく壮大で、ドラマチックで、圧倒的で、芸術的。
もうここで、大して文章力の無い私が、どんなに絶賛しても足りないって思えてくるぐらい、
今までのリスナー人生の中でも最高レベルの大傑作といっていい、そんな作品です。


1曲目からいきなり、ヘヴィなギターの音と笛の音とストリングスが、ポップな歌メロに絡むという展開、そして歌詞は「いますぐ飛び出そう」「旅立とう」といった内容で、まさにこの瞬間、
新たな旅立ち、歴史が始まるんだという高揚感を、存分に感じさせてくれる「REALITY」。
そして2曲目は、オルガンによる荘厳なイントロから始まり、
その後は、ポップでありながら、その奥で切なさと激しさが交錯しているかのような、
そんな独特の芸術性を感じずにはいられない「DEEP CALM」、
そして3曲目「Spiritual Tattooist」では、
イントロからいきなりヘヴィなギターサウンドとそのバックで飛び交う電子音、そしてストリングス、
これらがぶつかり合い、そこへさらに2人のボーカルが加わり、これらが一つになって突進してくる。
サビでは、地を這うようなメロディから、ラストでさらにもう一展開盛り上がるなど、
このように最初から最後まですさまじい展開美と、そして迫力と疾走感を感じる、
もうとにかく最強としか言いようがないような作品・・・
さらに4曲目「RIOT GENERATOR」では、
静かながらもキラキラとした感じのキーボードとスクラッチ音が響くイントロから始まり、
Aメロ・Bメロではスローテンポなポップス、
そこからサビで一気に爆発、重厚なギターサウンドとツインボーカルが火花を散らし合い、
そして「誕生の瞬間 天空に轟く」という歌詞、
まさに今この瞬間、ヒーローが誕生したかのような・・・ とにかくカッコ良いとしか言いようがない。
そしてサビ直後の、激しいラップとギターとスクラッチ音とコーラスがぶつかり合うところなんかは
もう本当に鳥肌モノといっていい・・・そんな作品です。


このように、前半4曲だけでもすさまじい、すさまじ過ぎる曲の数々。その後の曲も、
サビ部分をmotsuさんが歌い、このサビでラップと激しいギターの音とコーラスが絡む瞬間なんかは、曲タイトル通り、モンスターが降臨したかのような「MONSTER AMPLIFIER」、
J-POPとシンフォニックメタルが見事に融合したかのようなサウンド、
間奏の、荘厳なストリングスをバックにmotsuさんのラップが鳴り響くところなんかは
とにかくドラマチックとしか言いようがない「Freezing Rain」、
そして、このアルバムのクライマックスといってもいい、
キャッチーなメロディと、疾走感、構成美が抜群な、唯一のシングル曲「Blast My Desire」、
重厚ながらもシリアスさを感じるサウンドに、戦争の愚かさを描いた歌詞、
「恋人の写真を優しく指で拭い 同じ指で銃を構える」
という歌詞は特に、今の世界に訴えかけるものがある「PURE MINDS」、
などなど、最後まで素晴らしいとしか言いようのない曲ばかりです。


m.o.v.eといえば、軽快なトランスやユーロビート的な音楽を連想する人が多いかもしれませんが、
このアルバムは、むしろ熱心な音楽ファンや、ヘヴィなロックが好きな人こそ聴くべきといえる作品。
そういう人ならば、買って聴くだけの価値はあります。
むしろ買って何度も聴き込んでこそ分かるというか、聴けば聴くほど、新たな発見がある。
それぐらいサウンドが隅々まで作り込まれているし、何度聴いても全く飽きないです。
私自身、2年前より今の方がハマってるとまでいえるぐらいですから。
このアルバムについて、ダークだと評している人もいるようですが、
私的には暗いとは全く思わなかったです。それどころか、とてつもなくカッコ良い、
ヒーローが、神様が降臨してきたかのような、そんな曲ばかりだと思いました。


これだけのすさまじい音楽を作ったなら、それこそ世界的に評価されてもいいと思うんですけどね。