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2017年11月24日金曜日

[CDレビュー]  SPYAIR「KINGDOM」


SPYAIR「 KINGDOM(初回生産限定盤A)(DVD付)」
(2017/10/11)

1. THE WORLD IS MINE
2. RAGE OF DUST  [公式PV]
3. MIDNIGHT  [公式PV]
4. スクランブル  [公式PV]
5. 君がいた夏
6. THIS IS HOW WE ROCK  [公式PV]
7. BRING IT ON ~Battle of Rap~
8. Don't Look Back
9. Brand New Days
10. C!RCUS
11. Goldship
12. Be with  [公式PV]
お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)




SPYAIRの通算5枚目のオリジナルアルバム。曲調の多彩さは前作以上でありながらも
芯は全くブレてない。さらなる進化を遂げながら突き進む姿が見える作品。

まず1曲目「THE WORLD IS MINE」から前作以上にエモーショナル。
ストリングスを取り入れた迫力あるサウンドに加えて、サビの真ん中で転調するという
ドラマチックな曲展開は、まるでElements Gardenが編曲したみたいだと感じた。

2曲目「RAGE OF DUST」はガンダムの曲は名曲ばかりというのが分かる
熱血ラウドロックナンバー。歌詞からも必死さが伝わってきて素晴らしい。
「♪ヒリヒリと生き様を その為に死ねるなにかを この時代に叩きつけてやれ」
こんなん今でも先週のスライディングの擦り傷がヒリヒリしてるような自分には共感しまくりっすよ。

3曲目「MIDNIGHT」はタイトル通りに夜の街の輝きが目に浮かぶかのような
セクシーな歌謡ロックチューン。シングル曲として聴いた時は
新境地に辿り着いたと感じさせられた。思わぬ切り口から名曲が飛び出した。

4曲目「スクランブル」は銀魂の曲は名曲ばかりというのが分かる王道ロックナンバー。
俺達はここにいるんだと言わんばかりにでっかい声を発し続けてやるんだ、これぞ青春だ、
こういう曲は思わず一緒に歌いたくなる。カラオケでも歌いたくなるに決まってる(笑)
「♪曇天の切れ間から いつか見える銀色の空」といったラストの歌詞を聴くと
DOESの曲を思い出すが、SPYAIRはむしろ青空が似合うバンドだし、銀色よりも金色だ、
銀メダルではなく金メダルを獲ってやるんだ!と歌って欲しいバンドだ。銀魂ではなくきんた・・いや何でもない。

5曲目「君がいた夏」はほんのり切なくもポップなメロディが印象的なラブソング。
間奏のギターのメロディも良い。90年代ならばドラマ主題歌で大ヒットしそうな
曲だったのにと思ってしまった。シングル曲でも全然いけたはずの名曲。

6曲目「THIS IS HOW WE ROCK」はサビの伸びやかなメロディが気持ちいい上に
誰かを叩くぐらいならば自由になるまで常識ってやつを叩けなどといった歌詞は
ロック魂を感じられて本当に良い歌詞描いてるよな・・・
同時にこの曲の歌詞は自分も含めた陰湿なネット民に喝を入れているようにも見えてくる。
ジメジメした空気を熱風で除湿してくれるかのようなバンドが好き。

7曲目「BRING IT ON ~Battle of Rap~」はラップ中心のミクスチャーロック。
8曲目「Don't Look Back」はライブ感、一体感が満載な曲で
お前だってできるんだ!といったメッセージの数々に励まされる応援歌。
9曲目「Brand New Days」はイントロからダンサブルなリズムが弾けるデジタルロック。
10曲目「C!RCUS」ではブラスバンドでジャジーに味付けした曲といった感じで
アルバム後半の曲調の多彩さは聴いていて楽しい。もう一本調子とは言わせないぐらいに。

11曲目「Goldship」は仲間や友人との絆を歌った曲。
「♪たまには肩を並べながら あの頃、俺たちバカだったと飲みながら」
といった歌詞を聴くとまるでTHEイナズマ戦隊みたいでそりゃ対バンするよなと思った。
このように飲みっぷりもしゃべりっぷりも豪快な男でありたい。ビール瓶持って暴れたりはしないけど。
12曲目「Be with」はストリングスのメロディのスケール感が加わったバラード曲。
シングル曲として聴いた時以上に、アルバムのラストでより輝いていると感じられた。

ボーカルのIKEさんの歌声を聴いてみるとやはり4、5曲目などは一部ハスキー気味で
今でも喉の状態は決して良いとはいえないんだろうなと感じられる中で、
それでも必死に歌い続けているのが伝わってくる。さらに歌詞からも必死さが伝わるし、
より多くの人達に聴いてもらえるようにメロディのキャッチーさを大事にしているのも分かる。
もしも音楽好きの人達の世界の中でこれが評価されないのであれば、
正直者が馬鹿を見る世界になってしまったのか・・・とすら思えてくる。
ナヨナヨひねくれたバンドよりもガツンと魂の直球勝負をやってのけてくれるバンドを
これからも聴き続けていきたいと思える。今作では変化球の使い方もうまくなっているが
やはり基本はストレートに熱いメッセージを全力で届けてこそ素晴らしいんだ、
心を突き動かされるんだ、これこそが音楽の持つパワーなんだとあらためて感じられた。
過去のアルバム作品と比べても今作が最高傑作でしょう。やっぱり売れてる若手バンドの中ではトップクラスの力があるバンドですね。







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