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2012年6月25日月曜日

[CDレビュー]  水樹奈々「TIME SPACE EP」


水樹奈々「 TIME SPACE EP」
(2012/6/6) 

1. METRO BAROQUE
2. PARTY! PARTY!
3. 時空サファイア
4. ONE




水樹奈々のニューシングル。4曲入りという豪華なシングルでございます。

まず1曲目「METRO BAROQUE」は、もはや王道ともいえる、しっとりとした歌謡曲的な
雰囲気の漂うアッパーチューン。もちろんストリングスの音も入ってます。
この曲の編曲を担当した、Elements Gardenの中山さんといえば、
飛蘭や遠藤正明に提供したロック系の曲がどれも素晴らしかったので、
個人的には、今回のこの曲もロック路線でいってくれるのかなと期待してました。
なので最初聴いた時は、これでは他のエレガのメンバーの提供曲と変わらないではないか!
と思ったのですが、しかし、この曲もやっぱり聴きこむほどに良さが伝わるスルメ曲でした。
サビの「闇へと突き立てる」という部分は特にツボです。
毎度のことながら編曲も歌唱もレベルが高いし、そして今回も自作の歌詞が、
プロ作詞家の作った歌詞並みに良い。深みを感じます。
これから作詞に挑戦するJーPOP歌手の皆さんは、これを見習って欲しいとすら思う。
納得の1曲目でございました。

2曲目「PARTY! PARTY!」は、おしゃれなエレクトロ・ダンス系ナンバー。
歌詞にいきなり「ガールズトーク」とか「女子力」とかが出てくるこの曲は
まさに今風といった感じの曲で、ちょっと意外でしたが、しかし彼女のこの歌唱があれば
こういう曲も立派に水樹奈々ワールドに染め上げてしまう。
たまにはこんな路線の曲も良いんじゃないかなと思います。
これからこういう曲が増えてしまうのは勘弁して欲しいですが・・・

3曲目「時空サファイア」は、今作の中で一番のお気に入り。
路線的には1曲目と似てますが、こちらはそれよりもやや明るい雰囲気。
そしてこの曲もやっぱり聴きこむほどに良さが伝わる、編曲レベルの高いスルメ曲。
「約束の果実」の直後に入る、シュシュシュシューっていう音は特にツボでした。

4曲目「ONE」は、バラード曲ながらも同時にキラキラ感も感じさせてくれる曲。
しかし彼女のバラード曲に関しては「夢幻」「深愛」などといった歌謡曲系バラードの方が
出来が良いような気がすると、以前から感じていました。
今回のこの曲も、個人的にはメロディがあまり印象に残らずでした・・・


ここ最近にリリースされた曲では、前シングルの「Synchrogazer」や
前ベストアルバム収録曲の「Pray」「迷宮バタフライ」「ROMANCERS' NEO」
などといった曲が素晴らし過ぎて、さらに曲調もガンガンくるような感じだったので、
それと比べると、今作のシングルはやや落ち着いたという印象でした。
次はオリジナルアルバムが楽しみです。前作や前々作のアルバムと同様に、
新曲含めて15曲以上の多種多彩な曲を聴けることを、次作でも期待してます。


2012年6月16日土曜日

[私的名曲ランキング]  2012年5月度 マイベスト10

みんなでいい曲を発見する音楽投票企画「Japanese Dream -We Love J-Pop-」の協力により、
今月も、月間の私的名曲マイベスト10をこのブログにて紹介したいと思います。

この2012年5月度は、今年からこの企画に参加するようになって以来、
私的に一番レベルが高い月でした。今までならマイベスト10入りしている可能性のある曲が、
今月は20~30曲ぐらいあるという大変なことになってしまった、そんな月でした。
それでは、この大激戦を勝ち抜いた、2012年5月度のマイベスト10の発表です!





第10位 ナノ「Now or Never」

ニコ動出身の新人ボーカリスト。声質がハスキーで特徴的なのが良い。
ちなみに性別不明らしいです。歌い方が力強いので別にどっちでもいいですが!
VALSHEやZweiあたりが好きな人には特にオススメ。



第9位 いとうかなこ「非線形ジェニアック」

このサビでドーンとくる感じ、間奏でジワジワとくる感じ、
全編通してこれぞドラマチックな編曲が最高。
これで9位とか今月はなんてレベルが高いんだ! 今までなら3位以内でもおかしくないのに!



第8位 ワタナベフラワー「元気がE」

こういう、聴いててスカっとする曲を届けてくれるバンドが好きなんです。
タイプ的にはウルフルズの後継者か? ライブは特に盛り上がりそうなので今度観てみたいです。



第7位 ma-yun「心くみてぃ」

石垣島出身の2人組。沖縄音楽をベースにした、幻想的で美しい曲で、
ボーカルの2人のハーモニーもとても綺麗。これで7位とか順位低すぎるだろ・・・
個人的には東京エスムジカが出てきた頃を思い出しました。こちらもメンバーの1人が石垣島出身でしたが。



第6位 ステレオポニー「stand by me」

この曲もそうですがここ最近の彼女たちの曲は、ロックで激しい一面を全面に押し出してきた印象。
1stアルバムの時点からこういう一面も持ち合わせていたバンドなので、
もっとより多くの人やバンド好きの人に評価されて欲しいと思います。
心情的には3位ぐらいにしたかったが、しかし今月は全体のレベルが高かった・・・



第5位 風男塾「雨ときどき晴れのち虹」

ジャンル的にはアイドルなんでしょうが、楽曲はむしろロック的な勢いを感じるぐらいに、
力強くて、聴いていて元気をもらえる曲を届けてくれている。
ちなみに、私がこのJDの企画に参加するようになって以来、史上初の、
マイベスト10に2作連続2度目のランクインを果たした歌手が今回誕生しました。
まさかそれが風男塾になるとは・・・これは全く予想できなかった。
おそらくJDが無ければ一生聴く機会はなかったと思われる歌手でしたが、
こうなったらもう、アルバムが出たら聴くしかないですね。



第4位 moumoon「Wild Child」

個人的にmoumoonはもう聴くことは無いかな・・と思っていたら、
これは久しぶりに大ヒットしました! 今まで以上にバンドサウンドが全開、
これにキュートなボーカルと、熱い歌詞が組み合わさることによって、
見事なまでに独自の曲世界を作り上げている。初期の頃にもこんな感じの曲は無かった。
やっぱり彼らは実力があるということを再確認できました。



第3位 Rie a.k.a. Suzaku「Dreaming Eyes」

まさに一撃必殺、聴いた瞬間ノックアウトされました。
メロディの質の高いメタルナンバーで、ボーカルの歌唱もパワフルで良い。
私の中では、同じ女性ボーカルのHR・HMバンドである、1月度1位のLIGHT BRINGERの曲を超えた。なのに今月はレベルが高すぎるせいで3位・・・



第2位 JAM Project「鋼のレジスタンス」

前作はかなりイマイチに感じてしまったが、今作は文句無し!
5人の歌唱の連携の素晴らしさもさることながら、それに加えて編曲が超絶レベル。
あまりにもまぶしい。輝いている。特にサビの輝きはまさに次元が違う。
やっぱりJAM最高そしてElements Garden最高だ!



第1位 黒崎真音「鳴り響いた鼓動の中で、僕は静寂を聴く」

レビューはこちら。ここまで何を聴こうが、これは投票前から不動の1位のままでした。
最高にスリリングでドラマチックなハードロック曲。月間1位どころか年間1位の可能性もある!





(次点)
Liaroid Cinema「inletPAGE」
川田まみ「Borderland」
鴉「天使と悪魔」
ズータンズ「しゃる うぃ dance?」
飛蘭「WHITE justice」



5曲とも他の月なら余裕でマイベスト10入りしてました。
新人バンドのLiaroid Cinemaは歌いっぷりが素晴らしかったので
こういうアーティストこそ本当はランクインさせないといけなかったのに。
これは鴉にも同じことが言えますが。
川田まみは前作も今作も同じぐらい良かったのに前回4位で今回次点だし、
ズータンズは初めて知りましたが、これで解散してしまうのは残念、
もっと聴きたかったと思うぐらい良かった、なのに今回は入れられなかったし・・・
飛蘭は前作前々作があまりにも素晴らし過ぎたのでどうしてもそれと比べてしまう・・ということで今回はこの位置でしたが。

これ以外の曲も、個人的には橘いずみの曲を思い起こさせてくれるような曲で、
曲にこめられた心の叫びに圧倒させられる、tricot「夢見がちな少女、舞い上がる、空へ」、
今作もボーカルとメロディの爽快感抜群なNICO Touches the Walls「夏の大三角形」
などといった曲も他の月ならマイベスト10入りしていた可能性が高かったです。
さらに、イーリア「ペガサス」は幻想的なサウンドが素晴らしい、しかしボーカルが
これまた性別不明・・かと思ったら女性ボーカルだったのかと思ったり、
Mix Speaker's,Inc.というバンドに強烈なインパクトを感じたり、
一青窈の曲がなんだかスゴいことになってたり、
The Flickersはサウンドはマイベスト10入りレベルなのにボーカルが・・・と思ったり、
KOTOKOやspoonの曲は良かったけど、八木沼サウンドの中ではやっぱりALTIMAが一番好きかなと思ったり、パリッコ「芽が出ない節」がやたら印象に残ってしまったり・・といったように、
とにかくこの月は本当に中身が濃かった。なのでこのレビュー文も今までで一番長くなってしまいました。
こんな長文を、最後まで読んでいただきありがとうございました!


2012年6月14日木曜日

[CDレビュー]  友川カズキ「ゴールデン☆ベスト」


友川カズキ「 ゴールデン☆ベスト」
 (2004/11/25) 

1. 生きてるって言ってみろ
2. 似合った青春
3. 歩道橋
4. 23才の抵抗
5. 殺されたくないなら殺せ
6. 魂
7. 死にぞこないの唄
8. サーカス
9. 臨終
10. 汚れつちまった悲しみに
11. トドを殺すな
12. 明るい夜
13. 一切合財世も末だ 
14. 彼が居た-そうだ!たこ八郎がいた  
15. ワルツ
16. 私の花
17. 武装に足る言葉などないのだ
18. 夜へ急ぐ人(ちあきなおみに捧ぐ)  
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)





2004年にリリースされた、友川カズキのベストアルバム。
現在、ラジオ番組「ナインティナインのオールナイトニッポン」にて話題沸騰中の、
70年代フォークシンガーのベスト盤です。
私もこのラジオ番組がきっかけで彼を知り、そしてCD作品を手に取ったわけですが、
これはもう、ナイナイの岡村さんが絶賛するのもうなずける。
魂のこもった歌の数々に圧倒される、そんな作品でした。


たとえ声が枯れてガラガラ声になろうがお構いなしの、熱く激しい歌唱と、
さらに、歌詞の中にこめられた、胸を突き刺すかのような言葉の数々は、
時に破壊的でありながらも、随所で天才的なセンスを見せる。
1、8、11曲目などは特にそうでしたが、ギター1本での弾き語りという
シンプルなサウンドでありながら、ここまで胸に迫りくる曲を聴いたのは本当に久しぶり。

その中でも一番強烈に印象に残った曲は「トドを殺すな」。
人間の勝手な都合で、害獣として処分されるトドの悲痛な叫びが聞こえてくるかのような曲。
「俺達みんなトドだぜ!!」これは本当に名言だと思いました。
同じ、みんなこの世に生まれた命なはずじゃないかと。さらにこの曲は、
「かわいそうなトドと、かわいそうな人間たちに歌います」という歌い出しからして、
おそらく、トドだけではなく人間のことも「殺すな」と歌っているのではないかと・・・
上の人間様が優劣を付けて、ダメだと判断されたら切り捨てられるという、
そんな人間社会全体への抵抗を歌った曲ともとれる。考えさせられる曲です。

さらに、彼の代表曲である「生きてるって言ってみろ」「一切合財世も末だ」
といった曲は、近年の世間一般のフォークのイメージとは一味も二味も違う曲で、
ダークな世界観を持った言葉の数々を、アップテンポな曲調にのせて
ひたすらまくしたてるかのように歌いあげる、ギター弾き語り曲。
こんな作風は、最近の音楽シーンにはほとんど無いようなスタイルなので、
逆に新鮮にすら感じました。これが70年代のアングラフォークなのかと。

さらに今作は、ギター1本での弾き語り曲だけでなく、バンドサウンドの曲も収録されており
その中でも、2~4曲目は特に良かったです。
2曲目の「似合った青春」は、シリアスな曲が並ぶこの作品の中ではオアシス的な曲で、
ちょっぴり痛快で、懐かしさを感じさせる歌詞やサウンドが素晴らしい。
そして3曲目の「歩道橋」は、事件現場の路上の人々の姿を歌ったと思われる曲で、
この曲の終盤にいけばいくほどに聴こえてくる、「助けてくれーー!!」などといった
怒涛の絶叫の数々には、まさに胸を締めつけられる。これには圧倒されました。

彼が作る歌詞に関しては本当にどれも素晴らしいですが、その一方で、
「汚れつちまった悲しみに」や「サーカス」といった曲では、
おそらく多くの人が国語の教科書で習ったことがあると思われる
中原中也の詩に、メロディをつけて歌うということもやっており、
こんなこともしていたのかという面白さを感じました。


ただこの作品は、最後まで明るい曲がほとんどない、重い内容のアルバムで、
そして歌詞については、中にはビックリするぐらいに過激な内容もある。
タイトルからしてヤバい5曲目は、歌唱や曲の雰囲気は穏やかなのに、
しかし歌詞の方は文字通りに「殺されたくないなら殺せ」とか歌っていますし、
さらに、それ以上に過激な曲なのが7曲目の「死にぞこないの唄」。これは調べずとも
放送禁止指定を受けていること間違いなしと分かるぐらいの、今作の最狂ナンバー。
歌詞に「奈良の大仏」が出てくるところだけは個人的にちょっと面白かったですが、
むしろそれが曲の中で浮いているぐらいに、そこ以外はあまりにもヤバ過ぎる内容。

なので、この作品は確実に聴く人を選ぶ作品でしょう。
中盤から後半辺りにも、2曲目のようなホッとさせられる一面が見られる曲が
あっても良かったかなと思いましたが・・・
しかし前半の曲だけでも凄さが存分に伝わってくる作品。
「フォークの神様」と呼ばれるのも納得。今の音楽シーンにはこういう曲が足りない!


2012年6月13日水曜日

[CDレビュー]  佐々木希「NOZOMI COLLECTION」


佐々木希「 NOZOMI COLLECTION(初回生産限定盤)(DVD付)」
(2012/4/18) 

1. 噛むとフニャン feat.Astro
2. パペピプ♪パピペプ♪パペピプポ♪
3. カラフルワールド
4. non×non!!
5. ジン ジン ジングルベル feat.Pentaphonic
6. フレンド
7. For You
8. Diamond Days
お気に入り度:★★★★★ (5/10)





佐々木希の1stアルバム。ご存知、女優・モデルとして活躍中の彼女が、
おそらくCMソングを歌ったことがきっかけで歌手デビューしてしまい、
そして今回ついにアルバムまでリリ-スしたわけですが・・・

いったい誰が、何のために、彼女を歌手デビューをさせようと思ったのか。
ここまで歌唱からやる気が感じられないアルバム作品を聴いたのは初めてかもしれません!
そもそも本人は歌手になることなど望んでいなかったしか思えない。
その証拠に、このアルバムを売るためのリリースイベントにて、
なんと1曲も歌わずにトークだけでイベントを終わらせてしまったという
前代未聞級のことをやってのけたというから、これはもはや一周回ってスゴいことです!

まず1曲目「噛むとフニャン」を聴いた時点で驚きました。
この曲のサビの部分だけは、CMソングとして一時期流れまくっていたので知ってましたが、
いざ曲をフルで聴いてみると、なんとサビ以外の部分は男性ラップばかりで
そもそも本人はろくに歌っていなかったという、いきなりこんなオチが待っていたとは!
サビ以外においては、男性ラップの合間に気の抜けたセリフを入れる担当に徹し、
そしてCメロでやっとソロパートが出てきたかと思いきや、その歌詞の内容は
「♪ゆるいままララララ マイペース」とかいう内容だというから!
このフレーズがここまで似合う、ある意味最強の説得力を持っている歌い手は
果たして他にいるだろうか!? 1曲目にして強烈なインパクトを残した曲です。

そして、2曲目の「パペピプ♪パピペプ♪パペピプポ♪」は、今作の中でも最もスゴい。
「♪みぎ~ ひだり~ うえ~ した~ ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる~」
という、まるで呪文にでもかけられたかのようなこの曲の歌い出しの時点にして、
一度聴いてしまったら抜け出せない異次元の世界へと引っ張られてしまう。
その後も「♪ぱ~ふぇくと~」などといった魂のこもってないセリフが曲の合間に入るたびに
それが頭の中をぐるぐるぐるぐるぐるぐる回り、そしてどんどんハマっていく・・・
これはもう、以前に友人とのカラオケにて、某アニメのキャラソンの数々を初めて歌われた時並みの衝撃。
調べてみたらこの曲も一応アニメ主題歌になっているらしいですが、
ここまで、既存の音楽の枠には収まりきらないほどの型破りな曲を聴いたのは久しぶりです!

その後の曲も、4曲目の「non×non!!」では、
「♪のんののんののののんののんののの」「♪お、お、お、お、おー」
などという、歌といっていいのかどうか分からない彼女の声が楽しめるなど、
この4曲目までは(別の意味で)聴きごたえタップリの作品でした。

しかし、5曲目以降は・・・ 
まず、森高千里の曲のカバーもどき「ジン ジン ジングルベル feat.Pentaphonic」は、
話題作りのため原曲の知名度に寄生してCDを売ることしか考えてないと思われる曲で
いかにもスイーツ層にウケることを狙った、携帯ブログにでも書いてればって感じの歌詞を
ラップという形で適当に曲の中に入れ、そしてそれを大して歌唱力も無い人が歌うという、
私的に、着うた系の好きになれない要素の全てを濃縮して詰め込んだような曲。
こんな曲はやって欲しくなかったです。これはどうやっても楽しめず・・・
そして6、7曲目は2曲続けてバラード曲ですが、まず6曲目を聴いた感想としては、
なにも歌詞や楽曲の質まで歌唱の質に合わせなくてもいいのにと思いました。
7曲目は本人作詞ですが、なるほど初めての作詞なんだなと思わせてくれる歌詞。
しかしプロが作ったと思われる5、6曲目の歌詞もこれと同レベルなので、
別に彼女の作詞をどうこう言う気持ちにはならないです! そもそもやる気がなかったのに作詞までしたとはよく頑張った!

といったように後半が残念でした。そしてこの作品を最後まで聴いて感じたことは、
そもそもこのCD作品はどういった層をターゲットにしてるのかという疑問が。
こんな天然のウザキャラみたいな気の抜けた歌声を聴かされたら男性ファンは逃げかねないぞ・・・
私みたいな迷曲珍曲ネタ曲大好き人間ならば余計ファンになるけど。
歌詞の内容を見れば、今どきの若い女性にウケることを狙ってこの作品を作ったのか?
しかしこのアルバムを聴く限りでは、そういうことはあまり考えずに、
最後まで2、4曲目のようなブッ飛び路線で突っ走って欲しかった。
とことんネタに走った方がむしろより多くの人に楽しめる作品になったと思います。
とりあえず、2曲目だけでもこのアルバムを聴く価値はあると思うので聴いてみましょう!


2012年6月12日火曜日

[ライブレポ]  Do As Infinity LIVE TOUR 2012 ~TIME MACHINE~

6月10日(日曜日)、大阪NHKホールにて開催されました、
Do As Infinityのライブツアー「Do As Infinity LIVE TOUR 2012 ~TIME MACHINE~」
に行ってきました。





[セットリスト]
・TIME MACHINE
・アリアドネの糸
・御伽話
・For the future
・Why?
・PRIDE
・恋歌
・陽のあたる坂道
・Holiday
・Sense Of Life
・魔法の言葉
・深い森
・黄昏
・もう一人の僕へ
・Gates of heaven
・JIDAISHIN
・Timeless
・君がいない未来
・本日ハ晴天ナリ

(アンコール)
・遠くまで
・SUMMER DAYS
・冒険者たち
・Go Ahead!



まず最新アルバムのタイトル曲「TIME MACHINE」にてこのライブの幕が開きました。
そして、そこからの「アリアドネの糸」への流れは最高だったです。
2曲目にして、今回のこのライブで一番素晴らしかった。
この亮さんのギターがうなるイントロからして、ヘドバンしたくなるぐらい興奮しました。
ホールツアーなので出来ませんでしたが!

続く「御伽話」では伴ちゃんとコーラスの人との掛け合いが迫力ありました。
ちょっとコーラスが出しゃばり過ぎ歌い過ぎな感じもしましたが。

そして「For the future」が終わった後に一度MCに入ったわけですが、
今回のライブで一番印象的だったことは、今まで以上に、
メンバーから観客まで含めて、全員のテンションが高い!
特に、伴ちゃんはMCの開始早々に観客の歓声に「キャーーー!!」と応えたり、
その後もアップテンポ系の曲では観客を大声で何度も煽ったりと、
こんなにも、しゃべりに関して元気がある伴ちゃんを見たのは初めてかもしれない(笑)
これはライブ終了後のファンたちからも同じ感想を言っていたのが聞こえてきてました。
今回のライブはTSUTAYA TVにて生中継されていたので、いつも以上に張り切っていたのか?
そしてもちろん、亮さんのしゃべりもいつも通り相変わらず達者でした。
この大阪のライブ会場に来る前の朝に、当たりつきの自動販売機で当たった話や、
外を走るようになって7kg痩せたという話などが面白かったです。

中盤の曲に関しては、「PRIDE」はぜひ生で聴きたかった曲なので聴けて良かったです。
CD版に比べるとギターの音が目立ち過ぎていた感じもしましたが、
しかしサビでの伴ちゃんの歌唱の迫力は素晴らしかった。気合が入ってましたね。
さらに「黄昏」「もう一人の僕へ」といったバラード系の曲も期待通り。

終盤はアップテンポ系の曲の連続で、テンションは最高潮でした。
途中の「JIDAISHIN」の間奏の間には、バンドメンバーの紹介もありましたが、
そこで、キーボード担当の高瀬さんが、なんと今日誕生日だということが発表され、
そしてさらに、DoAsスタッフの中にも明日が誕生日という人が1人いてステージに登場。
この2人を、全員でお祝いしました。そして酒で乾杯する場面もありました。
そして、ライブでは毎回最高に盛り上がる「本日ハ晴天ナリ」にて一旦終了。


最後のアンコールでは、まずステージに再登場するなり、観客の若い女性ファンが
「伴ちゃん、私のお母さんになって!」と叫んだのにはメンバー全員笑ってしまってました。
そしてまず曲の前に、亮さんがDoAsグッズの紹介を始める場面がありましたが、
そこでなんと亮さんがDoAsマフラータオルを、自分の股の間に挟み、
そして尻拭きを始めてしまいました! 「こんな使い方もありますよ」と言っていました。
これには、自分のユニットのグッズにこの仕打ちはないだろ!とツッコみたくなりました!
相変わらず亮さんらしくて、これには観客全員爆笑してしまってましたが、
唯一、伴ちゃんだけは恥ずかしがってセットの影に隠れてしまいました(笑)

そして、本日誕生日のキーボードの高瀬さんに、さらにお酒を勧める場面もありましたが、
ここで、そのお酒を断るために高瀬さんが「まだあと3曲あるから」と、
うっかりアンコールのネタばらしをしてしまいました。
この思わぬ失策には、メンバー全員からの怒りのツッコミを入れられてました!
やはりお酒のせいで口が滑ってしまったのでしょうか!?

そしてアンコールの曲が始まり、「SUMMER DAYS」「冒険者たち」といった、
ライブでは鉄板の曲で思いっきり盛り上がり、終了・・かと思いきや、
なんと、最後の曲は、最新アルバムのラスト曲「Go Ahead!」を歌うと伴ちゃんが発表、
そして亮さんからは、今回特別に予定よりも1曲増やしたという発言が! 
例の高瀬さんのあの発言が原因でそうしましたということでしたが、
ともかく、この粋な計らいには、観客全員から拍手が湧いていました。




以上、今回は名実ともに今まで以上に盛り上がったライブでした。
しかし個人的に今回心残りだったことは、最新アルバム「TIME MACHINE」収録曲の中から
「君の為に今できること」を聴くことができなかったことが残念だった・・・
この超名曲を生で聴ける日を、約3ヶ月以上もの間ずっと楽しみにしてたのに!
調べてみたら3月の埼玉でのライブではやっていたようですが、
それ以降のライブツアーでは演奏されてないようで、これはなぜなんだ!?
あと、ラストの鉄板曲である「あいのうた」も今回はやらなかったですが、
個人的にはそれよりも「君の為に今できること」をやらなかったことの方が残念。

次回以降のライブからはぜひやって下さい、そして永久に歌い続けてください!
それぐらいの名曲ですから! とアンケート用紙にも書かせて頂きました。
次こそは期待してます!






2012年6月7日木曜日

[CDレビュー]  m.o.v.e「anim.o.v.e BEST」


m.o.v.e「 anim.o.v.e BEST」
(2012/2/22) 

1. LIBIDO / m.o.v.e × 宝野アリカ (from ALI PROJECT)
2. 創聖のアクエリオン
3. LOVE SHOWER / m.o.v.e feat. 田村ゆかり
4. ダイアの花
5. 恋しさと せつなさと 心強さと
6. Monster Explosion feat. 影山ヒロノブ & 遠藤正明
7. 名もなき愛 / m.o.v.e × 桃井はるこ × 三木眞一郎
8. Gravity
9. アンインストール
10. One Way Train feat. 鷲崎健 & 浅野真澄
11. Go Tight!
12. only my railgun
13. REAL LOVE ~魂に火をつけて~ feat. 飛蘭
14. JUPITER ∞ feat. 高山みなみ
15. 優しい傷 / m.o.v.e × AKINO (from bless4)
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)





m.o.v.eの、過去リリースのアニソンカバーアルバム計3枚から
選りすぐりの曲を集めてリリースされたベストアルバム。


まずこのベスト盤には、これまでに作られた、
アニソン系アーティストとのコラボによるオリジナル曲計8曲が、
全てこの1枚のアルバムに収められています。これだけでもこのアルバムの価値がある。
もしも、これらの曲だけをオリジナルアルバムとしてリリースしていたら、
私的には、正直ここ3年ぐらいのオリジナルアルバムよりはるかに素晴らしいアルバム作品として
さぞヘビロテで聴きまくっていたでしょう。
これらの曲ごとのレビューについては、過去のアルバムレビューの方に書いてありますので
またそちらも参照して頂けると嬉しいです。

そしてカバー曲については、新曲2曲を含めた計7曲が収録されていますが、
その新曲2曲がなんと、より子「ダイアの花」のカバーと、「Go Tight!」のカバー。
まさかまさか、より子の曲がカバーされるとは! 今回のこのアルバム収録曲を見て最も驚いた点はこれです。
原曲が素晴らしいのは言うまでもない、この曲のカバー版を聴いてみると、
曲中にmotsuさんのラップと、ストリングスの音が絶妙なまでに加わることで、
原曲とはまた違う、新たな命が曲の中に吹きこまれたれたかのよう。
シリアスかつハードで、ドラマチックさ満点。さすが、期待通りの名カバーといえるでしょう。


>ポップスには無い深遠な歌詞の世界が興味深いとし2009年よりシリーズ化、
リリースを続けてきた「anim.o.v.e」の集大成である「anim.o.v.e BEST」が遂にリリース。

この上記のキャッチフレーズは、本当にその通りだと思いました。
ついでに言うと深遠なのは歌詞だけではなく編曲もです。
これはJ-POPファンからもアニソンファンからも、もっと評価されるべき作品でしょう!


2012年6月6日水曜日

[CDレビュー]  ザ・コブラツイスターズ「ウヅキ」


ザ・コブラツイスターズ「 ウヅキ」
(2005/4/21) 

1. サクラサク平成十七年 
2. どんがらがっしゃん
3. チャンス到来 
4. UFOガールと地底ボーイ
5. 今宵は無礼講 
6. 白い砂 
7. 三日月夜 
8. 最後の約束 
9. マグマロック 
10. 無限∞
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)




ザ・コブラツイスターズの通算5枚目のアルバム。メジャー復帰作となったアルバムです。

まずこの作品を聴いて一番良かったと思ったことは、
前作や前々作などでずっと感じていた、「シングル曲に比べるとアルバム曲が・・・」
という楽曲の質の差が、今作では無くなったこと。
1曲目に収録されている、2000年のシングル曲のリメイクである
「サクラサク平成十七年」は、彼らの曲にしては珍しく(?)売れ線の曲ではあるものの、
私的にはむしろその後のアルバムオリジナル曲の方がはるかに好きなぐらいです。

まるで日本海の荒波が目に浮かんでくるような荒涼としたサウンドと、
地の底から沸き上がるかのような魂の叫びを聴かせてくれる「どんがらがっしゃん」、
コテコテの演歌・歌謡曲的メロディを持ったロック曲で、ラストの三線の演奏の迫力は
津軽三味線の吉田兄弟の曲並みの勢いを感じる「チャンス到来」、
今までにもなかった独特の世界観、これぞまさに異次元との出会いを歌った曲
「UFOガールと地底ボーイ」、この2~4曲目は本当に素晴らしい!

さらに中盤以降の曲も、笛の音が印象的な宴会ナンバー「今宵は無礼講」、
彼らの曲としては異色な、三拍子のリズムが特徴なワルツ風の曲「三日月夜」
などといった曲がなかなかのインパクト。

そして今作の極め付けは9曲目の「マグマロック」。
彼らの真骨頂ともいうべき熱い曲で、それに加えて社会風刺の効いた歌詞が印象的な、
今の世の中への怒りを込めた曲。これはサウンドだけ聴けばカッコいいのに・・・
しかし、その歌詞に出てくる怒りの対象というのが、
まず最初に、電車で化粧をする女子高生に対して向けられているのはどうなんだ!?
ある意味面白いとも言えるけどこんなチープな話題の歌詞で本当に良かったのか!?
そもそも、この日本の音楽シーンにおいて、
女子高生にウケそうな曲を作る人はいっぱいいるでしょうが、
それとは逆に、女子高生に説教する曲を作ってしまうのは彼らぐらいでは!?
この何事にも媚びない姿勢という点においては、やっぱりスゴいなと。

ただ最後、ラスト曲の「無限∞」だけ個人的に印象が薄かったのは惜しい。
タイトルで期待しただけに。これさえ良ければほぼ完璧だったのに!


しかしそれでも、今作は1stアルバムの次ぐらいにインパクトのある名作アルバムだったと思います。
そして、次作にて「日本見聞ロック」という、これをも超えるぐらいの大傑作アルバムをリリースするも、結果的にこれがラストアルバムとなってしまいその後解散。
本当に惜しいバンドを亡くしてしまった。私の中では一生モノの、伝説のバンドでした。



2012年6月5日火曜日

[CDレビュー]  吉岡亜衣加「時の彩り」


吉岡亜衣加「 時の彩り」
(2011/7/13) 

1. 舞風
2. 時の栞
3. 光の蝶
4. 天ノ華
5. 心絵綴り
6. 響ノ空
7. はじまりの詩
8. 風色ステップ
9. ポケットキャンディー  
10. ラブレター  
11. 消えない虹
12. 風遙か
13. 天葉  (ボーナストラック)
お気に入り度:★★★★★★★☆ (7.5/10)





吉岡亜衣加の3rdアルバム。
彼女を知ったきっかけは「Japanese Dream」にて新曲「太陽が生まれる場所」を聴き、
そしてこれにハマったことがきっかけで旧作となるこのアルバムも聴いてました。
アニソンを中心に活躍するシンガーということで、今作にもアニメやゲームタイアップの
楽曲が並んでおりますが、しかしその中で唯一、ボーナストラック扱いの「天葉」のみは
静岡のお茶のイメージソングになっているという、そんな内容のアルバムになっています。

この作品の最大の特徴は、歌謡曲テイストを全面に押し出した、しっとりとした曲が多いということ。
まず1曲目の「舞風」は、アップテンポ曲でありながらも曲中で和楽器の音色が
スリリングに響く、現代風演歌とでもいっていいような曲で、
これは坂本冬美あたりが歌ってもよさそうな曲だと思いました。
歌唱に関しては、こぶしは無いですが、その代わりに透明感のあるボーカルが
曲の雰囲気によく合っています。そして歌詞についても、ちょっぴり古風な表現が多い。
最果ての地のあなたを想うという歌詞と、同じくアップテンポながらも
和の雰囲気を感じるサウンドが心地よい、4曲目の「天ノ華」は、
まるで北の大地の風景が目に浮かぶかのようなスケール感を感じる曲で、
こういう曲こそが彼女の真骨頂だなと思いました。

6曲目までは本当に良かったですが、その一方で、普通のポップス路線へと向かう
7曲目以降は、まさにその通りに、至って普通としか思えない曲ばかりに・・・
こんな微妙な出来になるなら、むしろ逆に、もっと演歌っぽい曲を途中に入れても
良かったんじゃないかと思いました。

しかし、実質ラスト曲の「風遙か」は、最後にまた歌謡曲路線に戻ってきた上に
その路線の1~6曲目をも超えてしまうぐらいの私的ベストトラック。
歌詞のフレーズにもある通り、まさに大地の風を感じるかのようなサウンドにのせて
愛する人を想う気持ちを歌う、これはつくづく本当に美しいバラード曲だなと・・・


歌謡曲系の音楽が好きな人なら、世代を超えて楽しめる作品だと思います。
お茶のイメージソングを歌うことになったのもある意味納得ですね。