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2012年6月13日水曜日

[CDレビュー]  佐々木希「NOZOMI COLLECTION」


佐々木希「 NOZOMI COLLECTION(初回生産限定盤)(DVD付)」
(2012/4/18) 

1. 噛むとフニャン feat.Astro
2. パペピプ♪パピペプ♪パペピプポ♪
3. カラフルワールド
4. non×non!!
5. ジン ジン ジングルベル feat.Pentaphonic
6. フレンド
7. For You
8. Diamond Days
お気に入り度:★★★★★ (5/10)





佐々木希の1stアルバム。ご存知、女優・モデルとして活躍中の彼女が、
おそらくCMソングを歌ったことがきっかけで歌手デビューしてしまい、
そして今回ついにアルバムまでリリ-スしたわけですが・・・

いったい誰が、何のために、彼女を歌手デビューをさせようと思ったのか。
ここまで歌唱からやる気が感じられないアルバム作品を聴いたのは初めてかもしれません!
そもそも本人は歌手になることなど望んでいなかったしか思えない。
その証拠に、このアルバムを売るためのリリースイベントにて、
なんと1曲も歌わずにトークだけでイベントを終わらせてしまったという
前代未聞級のことをやってのけたというから、これはもはや一周回ってスゴいことです!

まず1曲目「噛むとフニャン」を聴いた時点で驚きました。
この曲のサビの部分だけは、CMソングとして一時期流れまくっていたので知ってましたが、
いざ曲をフルで聴いてみると、なんとサビ以外の部分は男性ラップばかりで
そもそも本人はろくに歌っていなかったという、いきなりこんなオチが待っていたとは!
サビ以外においては、男性ラップの合間に気の抜けたセリフを入れる担当に徹し、
そしてCメロでやっとソロパートが出てきたかと思いきや、その歌詞の内容は
「♪ゆるいままララララ マイペース」とかいう内容だというから!
このフレーズがここまで似合う、ある意味最強の説得力を持っている歌い手は
果たして他にいるだろうか!? 1曲目にして強烈なインパクトを残した曲です。

そして、2曲目の「パペピプ♪パピペプ♪パペピプポ♪」は、今作の中でも最もスゴい。
「♪みぎ~ ひだり~ うえ~ した~ ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる~」
という、まるで呪文にでもかけられたかのようなこの曲の歌い出しの時点にして、
一度聴いてしまったら抜け出せない異次元の世界へと引っ張られてしまう。
その後も「♪ぱ~ふぇくと~」などといった魂のこもってないセリフが曲の合間に入るたびに
それが頭の中をぐるぐるぐるぐるぐるぐる回り、そしてどんどんハマっていく・・・
これはもう、以前に友人とのカラオケにて、某アニメのキャラソンの数々を初めて歌われた時並みの衝撃。
調べてみたらこの曲も一応アニメ主題歌になっているらしいですが、
ここまで、既存の音楽の枠には収まりきらないほどの型破りな曲を聴いたのは久しぶりです!

その後の曲も、4曲目の「non×non!!」では、
「♪のんののんののののんののんののの」「♪お、お、お、お、おー」
などという、歌といっていいのかどうか分からない彼女の声が楽しめるなど、
この4曲目までは(別の意味で)聴きごたえタップリの作品でした。

しかし、5曲目以降は・・・ 
まず、森高千里の曲のカバーもどき「ジン ジン ジングルベル feat.Pentaphonic」は、
話題作りのため原曲の知名度に寄生してCDを売ることしか考えてないと思われる曲で
いかにもスイーツ層にウケることを狙った、携帯ブログにでも書いてればって感じの歌詞を
ラップという形で適当に曲の中に入れ、そしてそれを大して歌唱力も無い人が歌うという、
私的に、着うた系の好きになれない要素の全てを濃縮して詰め込んだような曲。
こんな曲はやって欲しくなかったです。これはどうやっても楽しめず・・・
そして6、7曲目は2曲続けてバラード曲ですが、まず6曲目を聴いた感想としては、
なにも歌詞や楽曲の質まで歌唱の質に合わせなくてもいいのにと思いました。
7曲目は本人作詞ですが、なるほど初めての作詞なんだなと思わせてくれる歌詞。
しかしプロが作ったと思われる5、6曲目の歌詞もこれと同レベルなので、
別に彼女の作詞をどうこう言う気持ちにはならないです! そもそもやる気がなかったのに作詞までしたとはよく頑張った!

といったように後半が残念でした。そしてこの作品を最後まで聴いて感じたことは、
そもそもこのCD作品はどういった層をターゲットにしてるのかという疑問が。
こんな天然のウザキャラみたいな気の抜けた歌声を聴かされたら男性ファンは逃げかねないぞ・・・
私みたいな迷曲珍曲ネタ曲大好き人間ならば余計ファンになるけど。
歌詞の内容を見れば、今どきの若い女性にウケることを狙ってこの作品を作ったのか?
しかしこのアルバムを聴く限りでは、そういうことはあまり考えずに、
最後まで2、4曲目のようなブッ飛び路線で突っ走って欲しかった。
とことんネタに走った方がむしろより多くの人に楽しめる作品になったと思います。
とりあえず、2曲目だけでもこのアルバムを聴く価値はあると思うので聴いてみましょう!


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