ブログトップ

唄と旅がメインの日記ブログ。音楽は歌姫系・ガールズロックを中心に、アニソン・アイドルからメタルまで幅広く取り上げてます。
相互リンク及びブログ固定客大募集中。リクエストも大歓迎。たくさん更新してますのでよろしくお願いします。
コメ欄の匿名コメントは内容によっては削除する場合があることをご了承下さい。

2012年6月14日木曜日

[CDレビュー]  友川カズキ「ゴールデン☆ベスト」


友川カズキ「 ゴールデン☆ベスト」
 (2004/11/25) 

1. 生きてるって言ってみろ
2. 似合った青春
3. 歩道橋
4. 23才の抵抗
5. 殺されたくないなら殺せ
6. 魂
7. 死にぞこないの唄
8. サーカス
9. 臨終
10. 汚れつちまった悲しみに
11. トドを殺すな
12. 明るい夜
13. 一切合財世も末だ 
14. 彼が居た-そうだ!たこ八郎がいた  
15. ワルツ
16. 私の花
17. 武装に足る言葉などないのだ
18. 夜へ急ぐ人(ちあきなおみに捧ぐ)  
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)





2004年にリリースされた、友川カズキのベストアルバム。
現在、ラジオ番組「ナインティナインのオールナイトニッポン」にて話題沸騰中の、
70年代フォークシンガーのベスト盤です。
私もこのラジオ番組がきっかけで彼を知り、そしてCD作品を手に取ったわけですが、
これはもう、ナイナイの岡村さんが絶賛するのもうなずける。
魂のこもった歌の数々に圧倒される、そんな作品でした。


たとえ声が枯れてガラガラ声になろうがお構いなしの、熱く激しい歌唱と、
さらに、歌詞の中にこめられた、胸を突き刺すかのような言葉の数々は、
時に破壊的でありながらも、随所で天才的なセンスを見せる。
1、8、11曲目などは特にそうでしたが、ギター1本での弾き語りという
シンプルなサウンドでありながら、ここまで胸に迫りくる曲を聴いたのは本当に久しぶり。

その中でも一番強烈に印象に残った曲は「トドを殺すな」。
人間の勝手な都合で、害獣として処分されるトドの悲痛な叫びが聞こえてくるかのような曲。
「俺達みんなトドだぜ!!」これは本当に名言だと思いました。
同じ、みんなこの世に生まれた命なはずじゃないかと。さらにこの曲は、
「かわいそうなトドと、かわいそうな人間たちに歌います」という歌い出しからして、
おそらく、トドだけではなく人間のことも「殺すな」と歌っているのではないかと・・・
上の人間様が優劣を付けて、ダメだと判断されたら切り捨てられるという、
そんな人間社会全体への抵抗を歌った曲ともとれる。考えさせられる曲です。

さらに、彼の代表曲である「生きてるって言ってみろ」「一切合財世も末だ」
といった曲は、近年の世間一般のフォークのイメージとは一味も二味も違う曲で、
ダークな世界観を持った言葉の数々を、アップテンポな曲調にのせて
ひたすらまくしたてるかのように歌いあげる、ギター弾き語り曲。
こんな作風は、最近の音楽シーンにはほとんど無いようなスタイルなので、
逆に新鮮にすら感じました。これが70年代のアングラフォークなのかと。

さらに今作は、ギター1本での弾き語り曲だけでなく、バンドサウンドの曲も収録されており
その中でも、2~4曲目は特に良かったです。
2曲目の「似合った青春」は、シリアスな曲が並ぶこの作品の中ではオアシス的な曲で、
ちょっぴり痛快で、懐かしさを感じさせる歌詞やサウンドが素晴らしい。
そして3曲目の「歩道橋」は、事件現場の路上の人々の姿を歌ったと思われる曲で、
この曲の終盤にいけばいくほどに聴こえてくる、「助けてくれーー!!」などといった
怒涛の絶叫の数々には、まさに胸を締めつけられる。これには圧倒されました。

彼が作る歌詞に関しては本当にどれも素晴らしいですが、その一方で、
「汚れつちまった悲しみに」や「サーカス」といった曲では、
おそらく多くの人が国語の教科書で習ったことがあると思われる
中原中也の詩に、メロディをつけて歌うということもやっており、
こんなこともしていたのかという面白さを感じました。


ただこの作品は、最後まで明るい曲がほとんどない、重い内容のアルバムで、
そして歌詞については、中にはビックリするぐらいに過激な内容もある。
タイトルからしてヤバい5曲目は、歌唱や曲の雰囲気は穏やかなのに、
しかし歌詞の方は文字通りに「殺されたくないなら殺せ」とか歌っていますし、
さらに、それ以上に過激な曲なのが7曲目の「死にぞこないの唄」。これは調べずとも
放送禁止指定を受けていること間違いなしと分かるぐらいの、今作の最狂ナンバー。
歌詞に「奈良の大仏」が出てくるところだけは個人的にちょっと面白かったですが、
むしろそれが曲の中で浮いているぐらいに、そこ以外はあまりにもヤバ過ぎる内容。

なので、この作品は確実に聴く人を選ぶ作品でしょう。
中盤から後半辺りにも、2曲目のようなホッとさせられる一面が見られる曲が
あっても良かったかなと思いましたが・・・
しかし前半の曲だけでも凄さが存分に伝わってくる作品。
「フォークの神様」と呼ばれるのも納得。今の音楽シーンにはこういう曲が足りない!


2 件のコメント:

まなみ さんのコメント...

えむけーさん、ご無沙汰しております。
私もナインティナインのANNを聞いていまして、友川さんの曲をじっくり聞いてみたいと思っていました。
ラジオで流れた曲の中では「歩道橋」が、一番ぐさっときました。あの笑い声も、最初は笑ってしまったのですが、ちゃんと聞くと全く笑えず、悲痛な叫びや怒り…そんな風に感じました。

友川さんがゲストの回も聞きましたが、生歌の迫力が凄かったですね。
後、「今はトドも人間も可哀想と思ってません」という発言にウケてしまいましたww

えむけー さんのコメント...

お久しぶりです。まなみさんもナイナイのANNのリスナーでしたか!
「生きてるって言ってみろ」「トドを殺すな」はCD音源よりもAMラジオでの生歌の方がより一層の迫力を感じましたね。
「歩道橋」のあの笑い声は、まさに極限状態の中から出てくる心の叫びだと思いました。魂を込めて身を削って叫んでいるその姿に感動させられました・・・