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2021年3月10日水曜日

[CDアルバムレビュー]  リリー楽綺団「INDIVIDUALISM」


リリー楽綺団「 INDIVIDUALISM」
(2020/09/16)

1. undivide (Instrumental)
2. サイレン-siren-
3. アネモネ  [MV]
4. エゴイズム  [MV]
5. パノラマ
6. Reversal Game  [MV]
7. 感情dissimulate
8. ALliuM
9. クローバー
10. IRIS
11. ARROW
12. Re:verse  [MV]
13. シオン
14. connect (Instrumental)
お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)



リリー楽綺団のインディーズ2ndアルバム。
2019年に結成された、ツインボーカル擁する6人組ガールズバンドにして
「ハイスピードで進化し続けるバンド」というキャッチコピー通りのバンドに出会った。

まずはインスト曲から始まり実質1曲目の「サイレン-siren-」からして
キャッチーな曲でありながらも劇的なメロディを加えた編曲と演奏にシビれさせられる。
そして前半で圧巻だったのは4曲目の「エゴイズム」。
メロディアスハードロックをここまでロマンチックかつポップに聴かせてくれるバンドに
出会えたのはいつ以来だろうか。個人的にはCyntiaを彷彿させるものがあったし
ピアノ・キーボードの活躍っぷりもまさにそうだこれだ!と思ってしまうほど。
曲後半の間奏の展開美にはとりわけ感動。2020年の年間ベストソングでも上位に選んだ傑作。

中盤は6曲目「Reversal Game」が曲名通りのゲームソング的な世界観を持った曲で
これぞロックヒロイン登場と呼びたくなるほどカッコ良過ぎ。
サビで「♪Come on!」を連呼するボーカルの歌いっぷりの素晴らしさときたら優勝モノ。
7曲目「感情dissimulate」ではエフェクトをかけたボーカルと共に疾走する
デジタルパンク系楽曲。今作で一番の変化球的な曲でも魅力を発揮してる。
さらにアルバム後半にはツインボーカルのソロ楽曲も2曲聴かせてくれる。
9曲目「クローバー」は綺更さんボーカル曲にしてサビのキーの高さは
今作ナンバーワン。刺さる歌声とはこのことを言うんだなと思える。
10曲目「IRIS」は瑞月さんボーカル曲。どこか影を帯びた楽曲に合う歌声。
こちらも曲後半にいくほどドラマチックな展開が聴けば聴くほどのスルメ曲。

そして今作最大のクライマックスが12曲目の「Re:verse」。
バンドサウンドにピアノを組み合わせた編曲は抜群に華やかで、
その音の作りの1つ1つにシビれさせられる。それでいて盛り上がり度抜群。
中盤以降の曲展開はアッと驚かされるほどにプログレッシブかつ斬新でありながらも、
それでいてサビを中心としたメロディはキャッチーで、最後までポップに聴かせてくれる。
こんな曲こそがプロの音楽関係者からも絶賛されてもいいほどの大傑作なのに。
でもヒロイックなアニソンっぽい曲というのは音楽通な人達からはなかなか
高評価してもらえないのかなぁ。個人的には好きになる要素全部盛りの曲ということで
2020年の年間ベストソング1位楽曲!(記事はこちら)年間優勝おめでとうございます。

メンバー全員美人さんで楽曲もここまで良い曲を提供してもらえるとは完璧じゃないか。
惜しむらくは今作がメジャーデビュー作ではないということだけだ。
これがインディーズだなんて勿体ない。まだ先に温存しても良かったのではと、
「Re:verse」や「エゴイズム」にしてもはや頂点を極めてしまった感すらあるし
来たるべきメジャーでこれに並ぶほどの傑作楽曲は出てくるのだろうか・・・
と思いきや今作からわずか4ヶ月後の2021年1月にはニューミニアルバム「Experience」を
緊急リリースするというまさかの展開が。活動ペースが早過ぎて笑ってしまう。
よっぽど所属事務所や周りのスタッフや作曲家達に恵まれてないとできない技だろう。
調べてみたらでんぱ組などと同じアイドル事務所に所属しているらしいということで、
これから有名ロックフェス出演など更なる売り込みもありそうでまだまだ人気が上がりそう。
数年後にはガールズバンド界で天下を取っていてもおかしくないバンドについに出会えた。
ライブも結成1年ちょいにしては十分良かったし、このバンドの唯一の欠点といえば
バンド名の「楽綺団」を入力する時に変換しにくいということぐらいですからね。
まずは予測変換で一発で出てくるほどの有名バンドになって欲しいし、
どうか今のこの路線のままでブレイクして欲しい。メロディアスなハードロック系楽曲を
とことんポップに聴かせるガールズバンドといえばCyntiaやHysteric Lolitaなどは
道半ばにして解散又は活動休止となったが、リリ団ならやってくれると信じたい。






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