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2019年11月29日金曜日

[CDアルバムレビュー]  FLOW「TRIBALYTHM」


FLOW「 TRIBALYTHM(初回生産限定盤)(Blu-ray Disc付)」
(2019/4/10)

1. TRIBALYTHM -Intro-
2. 風ノ唄  [公式PV]
3. Break it down  [公式PV]
4. 火花
5. PENDULUM  [公式PV]
6. サンダーボルト
7. INNOSENSE  [公式PV]
8. 音色  [公式PV]
9. BELIEVER
10. Smells Like 40 Spirit
11. BURN  [公式PV]
12. ONENESS  [公式PV]
13. アイオライト
14. TRIBALYTHM -Outro-
お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)



FLOWの通算11枚目のオリジナルフルアルバム。
「国境・民族を超え世界を繋ぐFLOWのマスターピース」と題した今作は
コンセプトアルバムを名乗ってもいいほどに芸術的でありながらも、
上質なエンターテイメントとして多くの人達が楽しめる作品になっている。
これぞ世界的傑作だといっても過言ではないほど。なのに日本のバンドシーンにおいては
あまりにもFLOWは過小評価されてる気がしてならない。アニソンのイメージがつくと
そうなってしまうのか?あらためてもっと評価されて欲しいバンドだと感じる。

まず1曲目のインスト曲「TRIBALYTHM -Intro-」は民族音楽とデジタルサウンドを
融合させた曲。太古から現代へとつながっていく様を描いているかのよう。
2曲目「風ノ唄」はバンドサウンドの中で光る幻想的アレンジと、旅人を歌った詞の世界が
スケール感に溢れている。先行シングル曲だがこのアルバムの中で聴くと一層映える。
3曲目「Break it down」では王道のカッコ良さを見せつける疾走ロックナンバーを聴かせ、
続く4曲目「火花」ではミドルテンポの曲調からサビで一気に感情を爆発させる。
この年になっても若き衝動を感じる歌を歌う。ボーカルがたまらんし歌詞も響きまくり・・・
大人しい人になんてそう簡単になりきれない自分みたいな者には泣けるほどの名曲で
今作の中でも一番のお気に入り曲。これこそリード曲にしてPVも作って欲しかったぐらい。

5曲目「PENDULUM」も2曲目と同系統の曲ながらもよりハッピーな雰囲気が伝わる。
6曲目「サンダーボルト」はアイリッシュパンクバンドの「THE CHERRY COKE$」の
メンバーが参加した曲で、北欧の楽器を取り入れたバンドサウンドの雄大さ満点。
この大航海感ときたら半端ない。これこそリード曲にしてPVも作って欲しかったぐらい。
7曲目「INNOSENSE」はAメロのストリングスアレンジに切迫感がある一方で
サビメロは伸びやかで、一気に空高く想いを放つかのような解放感がたまらない。
8曲目「音色」はラテンっぽいアレンジが光るミドルチューンでホッと一息つける。
9曲目「BELIEVER」ではバンジョーを取り入れたサウンドが光るミドルバラード。
どんだけ数多くの楽器が登場するんだ。この多彩な輝きはまるでバンド界の宝石箱だ。
そして歌詞にはラブ&ピースの願いがこめられている。ロックバンドにはこういう歌を歌い続けて欲しい。

10曲目「Smells Like 40 Spirit」はラップやスクラッチ音を加えたミクスチャーロック。
サビメロは伸びやかでボーカルの2人の熱情のこもった歌唱にも突破力がある。
11曲目「BURN」はストリングスを加えた勢い満点のアッパーチューンで
アレンジが今作の中でもとりわけアニソンっぽくて当ブログ的にはそりゃ好きな曲。
編曲はアニソン系作家が手掛けたのかと思いきやまさかのキバオブアキバ。
現在は惜しくも活動休止したデスポップバンドの名前を久しぶりに見た。
12曲目「ONENESS」は星空の下で聴きたくなるようなロマンチックなバラード曲ながらも
歌詞からはここまで苦労の道のりを経て辿り着いたのが伝わってくる。だから心に響く。
13曲目「アイオライト」はNHKみんなのうたかと思ってしまうぐらい
まるで子供が作ったみたいなベッタベタなロックナンバーで笑ってしまった。
自分も小学生の頃から脳内で作詞作曲していたので当時こんな曲を歌ってた気がする。
なのでこれこそが純粋な気持ちのこもった曲ではないだろうか?世界を笑わせるほどに。
14曲目のインスト曲「TRIBALYTHM -Outro-」は花咲く草原が目に浮かぶかのような
幻想的かつ多幸感に溢れた曲でめでたくハッピーエンド。

アニソンを歌ったことがきっかけで実際に海外でもたくさんのファンがつき
海外でのライブも数多く成功させてきたからこそ、これほどまでに説得力のある
世界的名作アルバムを作り出せたのだと思う。無限に広がるほど多彩な編曲に加えて
こちらのライブレポにも書いた通りあらためてボーカルも素晴らしい。
エモーショナルで魅力的なツインボーカルは楽曲をより一層響かすし
コーラスの一体感も頼もしく感じられる。これぞまさに多種多様な世界をつなぐ音楽だと、
音楽こそがあらゆる壁を超えて楽しめる最高のものだと思わせられる、
2019年上半期の当ブログナンバーワン作品。年間ベストの記事では果たしてどうなるか?






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