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2011年8月28日日曜日

[CDレビュー]  supercell「Today Is A Beautiful Day」


supercell「 Today Is A Beautiful Day」
(2011/3/16) 

1. 終わりへ向かう始まりの歌 
2. 君の知らない物語 
3. ヒーロー 
4. Perfect Day 
5. 復讐
6. ロックンロールなんですの 
7. LOVE & ROLL 
8. Feel so good 
9. 星が瞬くこんな夜に
10. うたかた花火 
11. 夜が明けるよ 
12. さよならメモリーズ 
13. 私へ 
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)





supercellの2ndアルバム。
ご存知、ニコニコ動画内でのブレイクをきっかけにメジャーデビューを果たしたアーティストで、
1stアルバムまでの作品では、ボーカルとして初音ミクを使用していましたが
この2ndアルバムでは、新たに女性ボーカリストとしてnagiさんを迎えて製作されました。


さすが、彼らはニコニコ動画発アーティストの代表選手といえるだけあって、
どの曲も本当に楽曲のレベルが高いです。
「最近のJ-POPよりニコニコ動画の曲の方がレベル高い」という意見に賛同したくなるぐらいの内容でした。
(ただし、ニコニコ動画の曲といってもピンからキリまで色々あるでしょうが)


まずサウンド面では2、3、12曲目のような、バンドサウンドにピアノの音が絡む曲が
彼らの一番の持ち味かなと思いました。これらの曲はどれも、爽快感があって聴いてて気持ちいいです。
また、ピアノ+バンドサウンドを軸としながらも、激しいロック調の曲「復讐」、
ディスコナンバーの「LOVE & ROLL」、ジャズ風味の「Feel so good」などといったように
様々なジャンルの音楽をアルバム内に取り込んでいるのも良いです。
そんな今作の中でも一番素晴らしかった曲は、4曲目の「Perfect Day」。
この果てしない大空のような圧倒的なスケール感と、あまりにも美し過ぎる風景の数々が
目に浮かんでくるかのような、そしてその広がる大空に手を伸ばす姿が浮かんでくるかのような曲で、
これぞ、珠玉の名バラードといえる曲でしょう。


そしてさらに、今作の中で素晴らしかったのは、歌詞です。
ちなみに、今作の全ての作詞作曲を担当しているryoさんの作詞方法について、
wikiによるとこんなことが書かれておりました。


>そもそも人が歌う事を想定した歌詞を書いていない
 これは、「人が歌うとなると、『恥ずかしい』『もう少し言い回しを考えよう』といった
 余計な装飾が入ってしまう」からであり、
 「機械に歌わせるからこそ、ともすれば恥ずかしい歌詞を躊躇なしに書ける」と語っている


これはすごく良い考えだと思いますし、好きな発想です。
曲のテーマはラブソングが中心でありながらも、その歌詞の情景描写が細かい上に、
まるで物語を見ているかのような、ファンタジーを感じる歌詞の数々。
これは誰がどんな曲を歌えばいいのかなどという枠にとらわれない、自由な発想ができるからこそだと思います。
特に、3曲目の「ヒーロー」の歌詞は、設定からして素晴らしい。
好きな人ができてしまったが自分に自信が持てない少年の、恋物語を描いた歌詞は
ストーリー的にも面白いですし、曲の最後まで引き込まれるものがありました。
最近のJ-POPの歌手の一部にありがちな、それほど設定とかも絞り込まずに
まるで最大公約数的な、「ストレートな歌詞」という名のありきたりな歌詞で
多くの若い人たちに共感してもらおうと思ってるような、そんな作詞をする人たちとは、全く対照的。
なので、supercellの歌詞に共感できる!という人は、果たしてどれだけいるかは分かりません。
また、今作の歌詞全般、特に7曲目などで感じたのは、
男性から見て可愛い女の子の姿を描いた歌詞が多いなと思いました。
なので、これらの曲を女性が聴いてどれだけ共感できるのかはやっぱり分かりません。


しかしそれでも、これだけ楽曲が高品質でなおかつ最近のJ-POPの流れに逆らうかのような
アーティストが出てきてくれたことは、個人的には本当に嬉しいですし、
そしてこれから更にもっと躍進して欲しいです。
それこそ、ニコニコ動画からJ-POPシーンを変えていくぐらいの活躍をして欲しいです!


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