2011年最初のCDレビューでございます。 なお今年から記事タイトルはシンプルにいきたいと思います。これ考えるのが何気に毎回ネックになってたので・・・ ではまずレビューする作品は、紅白歌合戦をきっかけに聴いてみた、この作品です。 アンジェラ・アキ「WHITE」 (2011/9/28) 1. 始まりのバラード 2. 津軽海峡・冬景色 3. I Have a Dream 4. フリオ 5. My Grandfather’s Clock 6. モラルの葬式 -revival- 7. ふるさと~HOME 8. 目撃車 9. Honesty 10. One Family お気に入り度:★★★★★★★ (7/10) アンジェラ・アキの5thアルバム。ピアノ弾き語り系の女性歌手としては トップクラスの知名度を持つ歌手ですが、個人的にアルバムを聴くのは今回が初めてでした。 まず歌詞カードの最初の部分にて、計4ページ分の短編小説が描かれているのには驚きましたが、 楽曲の方を聴いてみてまず感じたのは、4、6、9曲目などにて、 まるで物語を見ているかのようなストーリー性のある曲が入っているのが面白いです。 「フリオ」という名の少年が成長していく姿を描いた4曲目は、その中でも特に 引き込まれるものがありました。さらには、人間ドラマを車目線で描いた「目撃車」や、 ダークでミステリアスな独特の世界観を感じる「モラルの葬式 -revival-」 なども面白い曲で、彼女のアーティストとしての才能を存分に感じることができます。 しかしこの作品には、一つ大きな問題点だと思うところがあります。 それは、カバー曲が3曲も入っているということ。 さらに7曲目のセルフカバー「ふるさと~HOME」も入れると計4曲もカバー曲がある。 しかもそれらのカバー曲に使われている楽器はピアノのみで、特に真新しいアレンジがあるわけでもない。 これでは、よほどピアノ弾き語りというジャンルの音楽が好きで、 なおかつこの歌声・声質が好きでなければ、このアルバムを通しで聴くのは厳しいと思います。 そもそも、カバー曲で半分近く水増しした計10曲収録で、値段は約3000円、 これはいくらなんでもオリジナルアルバムとしてどうなのかと・・・ それでもラストの「One family」は素晴らしい。 世界は1つの家族だというメッセージが込められたこの曲は、こんな時代だからこそ、 そして日本とアメリカの2つの環境で育ったアンジェラ・アキさんが歌うからこそ、なおさら心に響く。 これ1曲のためだけにこのアルバムを聴こうと思えますし、 これだけで20点近く点数を上げてもいいと思うぐらいの名曲です。 こんな素晴らしい曲を作れる実力があるのだから、アルバムをカバー曲で水増しとかしなくとも、 歌詞カード4ページ分の短編小説を作らなくとも、もっと良いアルバム作品が作れるはずなのに・・・ まずは、オリジナルの名曲を作るということに、その才能を存分に使って欲しいところです。
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2012年1月12日木曜日
[CDレビュー] アンジェラ・アキ「WHITE」
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