茅原実里「 D-Formation
」 (2012/2/29) 1. D-FORMATION 2. Dream Wonder Formation 3. 嘘ツキParADox 4. Metamorphosing Door 5. Planet patrol 6. KEY FOR LIFE 7. この世界のモノでこの世界の者でない 8. X-DAY 9. Defection 10. 暁月夜 11. TERMINATED 12. アイノウタ 13. 夢のmirage 14. Freedom Dreamer お気に入り度:★★★★★★★★ (8/10) 茅原実里の通算5枚目のアルバム。(公式では4thアルバム扱いのようですが) 彼女のアニソン歌手としての最大の特徴、それを一言で表せば、 「人間版初音ミク」。もしくは「実写版ボーカロイド」。 今作ではまずオープニングナンバーの「D-FORMATION」を聴いた時点で、 これって初音ミクが歌ってるのでは? と思ってしまうぐらいでした。 この、のっぺりとした機械的な声こそが、ボーカリストとしての個性。 むしろ生身の人間で、このように本物の歌声と作り物っぽい歌声との間を 行ったり来たりするかのような、独特の味を出すことができる歌手というのは そう滅多にいないのではないかと思えてくる。 この現実と非現実との間を浮遊するような歌声が、アニソンの世界観にも合っている。 そう感じました。この歌い方はむしろ武器になるのではと。 そしてサウンド面においては、今作ではトランス・デジタル系のポップスが中心。 かつてはもっとシンフォニック色の強い曲も歌っていた気がしましたが、 今作ではそういう曲は10曲目の「暁月夜」ぐらいで、 これもどちらかというと電子音の方が目立っているように感じます。 そんな中で、作詞に奥井雅美さん、作曲にI'veの高瀬一矢さんを迎えた トランスナンバーである3曲目「嘘ツキParADox」は、今作でも一番ハマりました。 ノリの良い曲でありながら、独特の浮遊感と神秘性をも同時に感じる曲で、 どこか無機質なボーカルもこのサウンドには絶妙に合っています。 さらに、宇宙への冒険を歌った歌詞と、おもちゃ箱をひっくり返したような カラフルサウンドが楽しめる「Planet patrol」も、夢とファンタジーに溢れた曲で 素晴らしいです。まるでディズニーアニメを見てるかのよう。 1~11曲目まで、ほぼアップテンポでポップな曲が続く構成になっていますが、 その中では唯一、石川智晶さん作詞の7曲目「この世界のモノでこの世界の者でない」 だけはシリアスな雰囲気の曲で、このアルバムの中では異色な感じがします。 歌詞はあまりにも深いがために、じっくりと歌詞カードを見て考えさせられる曲ですが これはこれで茅原さんの歌声とのコラボ効果がうまく出た名曲だと感じました。 前半の曲に比べると、後半の曲は若干弱い曲もあった気がするのが惜しいところ。 ラストナンバーの「Freedom Dreamer」は、歌詞の通りに、 ライブではみんなでジャンプして一緒に盛り上がれそうな曲で こういう曲を最後を締めたのは良かったと思いました。 これからも、歌手としてどのようなアプローチを見せてくれるか楽しみです。 個人的には、2ndアルバムの頃にあったような、シンフォニックポップともいうべき 幻想的でしっとりとした路線の曲もまた聴いてみたいなと思います。
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2013年1月17日木曜日
[CDレビュー] 茅原実里「D-Formation」
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