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2011年11月8日火曜日

[CDレビュー]  SCANDAL 「BABY ACTION」


SCANDAL 「 BABY ACTION(初回生産限定盤)(DVD付)」
(2011/08/10)

1. GLAMOROUS YOU 
2. その時、世界はキミだらけのレイン 
3. LOVE SURVIVE 
4. Sparkling 
5. BURN
6. アップルたちの伝言 
7. 東京スカイスクレイパ━ 
8. Pride 
9. ハルカ 
10. スキャンダルなんかブッ飛ばせ
11. Very Special 
12. one piece  
お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)




SCANDALの3rdアルバム。今作は、過去の作品と比べても最高傑作だと思いました。
前2作で感じた、アルバム前半に収録されている素晴らしいシングル曲たちと比べると
後半のアルバムオリジナル曲が弱いという問題点が、今作では無くなり、
アルバム曲も1、2曲目を筆頭に良い曲が揃い、さらには曲順も後半の8~10曲目に
質の高いシングル曲を持ってくることで、最後まで飽きさせない作品構成になったのが良かったです。
今作で一番感じた前作までとの違いは、ボーカル4人の掛け合いの迫力が増したということ。
2曲目の「♪アブラカタブラ」というコーラスなど、耳に残る掛け合いも多いですし、
以前まではメインボーカルのHARUNAさんの声質ゆえにZONEと比較されることも多かったですが、
今作は、メンバー全員で歌ってそして曲を演奏しているんだという一体感を今まで以上に
感じさせたことで、バンドとしての個性・独自性がより一層増したと思います。

何よりアルバムオリジナル曲が、多様かつ質の高い曲ばかりなのが本当に良かった。
初期のガレージロック路線の曲「その時、世界はキミだらけのレイン」や、
静かに燃えるような風味を感じるバラード曲「BURN」は特に印象に残りましたし、
ブラスバンドの音が曲を盛り立てている「アップルたちの伝言」や
キーボードやスクラッチ音や電話のプッシュホンの音が曲を盛り立てている
「東京スカイスクレイパー」など、アレンジ面においても面白い曲が多いので、
聴いてて最後まで飽きないです。
完全自作曲の「Very Special」もシンプルながらも良い感じ。アレンジ面でうまくカバーできていたと思います。

もちろんシングル曲も、切なさの中にも熱い決意を感じさせてくれる曲「Pride」は
やはり今作の中でも一番ですし、ハードながらも同時に昭和歌謡っぽい雰囲気も感じる
ロックナンバー「スキャンダルなんかブッ飛ばせ」もカッコ良い。
さらに、先にシングルで聴いた時は穏やか過ぎる感じがして微妙に思った「ハルカ」も、
このアルバムの多種多様な楽曲たちの中の1曲として聴くと、こういうのもまた良いなと思いました。

このアルバムを聴く前までの、今年の私的名盤アルバムランキングは
同じくガールズバンドであるFLiPの1stフルアルバムが今のところ1位かなと思ってましたが、
しかしこちらのSCANDALのアルバムも、音楽の方向性は全然違うながらもそれに負けず劣らず素晴らしい。
この2組の違いを1行でまとめると、迫力ではFLiP、カラフルさではSCANDAL。
さらに、それに加えて12月にはステレオポニーの3rdアルバムも控えていますし、
ここまで、メジャーの音楽シーンにおいてガールズバンドの作品が充実するということは
ほんの3~4年前までは考えられなかった。それだけに嬉しい限りです。


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