中島みゆき「 転生」 (2005/11/16) 1. 遺失物預り所 2. 帰れない者たちへ 3. 線路の外の風景 4. メビウスの帯はねじれる 5. フォーチュン・クッキー 6. 闇夜のテーブル 7. 我が祖国は風の彼方 8. 命のリレー 9. ミラージュ・ホテル 10. サーモン・ダンス 11. 無限・軌道 お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10) 中島みゆきさんの、通算33作目のオリジナルアルバム。 「輪廻転生」について歌った、1つのコンセプトアルバムといっていいような作品で、 全編を通して聴いたときのスケール感がすごい、そんな作品です。 8曲目の「命のリレー」などはこのアルバムの象徴のような曲といいでしょう。 この1曲だけをとっても、歌詞通り「この一生だけでは辿り着けない」かのような、 そんな壮大なスケール感。 サビの荒々しくも力強い歌唱がまた、本当に心を打たれる曲です。 そして何より、この作品は、アルバム全体を通しての構成が完璧です。 1・2曲目では、人生のスタートといっていいような曲で、 そして3曲目では、人生という名のレールの上を走りながら 大自然の、草原の中を走っている姿が思い浮かぶ、 「線路の外の風景」。これで一気に目の前が開けるかのような・・・ (余談ですが、この曲はぜひ列車で旅をしている時に聴きたい曲です!) その後も、アジアンテイストを感じるサウンドが印象的な「フォーチュン・クッキー」 低音の歌唱がダークな雰囲気をかきたてている「闇夜のテーブル」、 歌詞といい、ピアノやオーケストラの音といい、実に壮大なバラード曲「我が祖国は風の彼方」 などといった、歌謡曲をベースにしながらもさまざまな曲調の歌を歌い、それと同時に、 曲ごとにさまざまな人生の1ページを歌っているかのようなアルバム曲の数々となっています。 そして、このアルバムのクライマックスといっていいのが、10曲目の「サーモン・ダンス」。 タイトル通り、サケが川を登る姿が思い浮かぶかのような、 そしてその力強い姿に、まるでこちらも励まされるかのような、そんな曲です。 打楽器の音とアコーディオンの音が響くイントロから始まり、 そして、それこそ川を登り始めるかのように、一気に盛り上がるサビの部分は圧巻といっていいです。 「生きて泳げ 涙は後ろへ流せ」 向かい潮の彼方の国で 生まれ直せ」 こんな歌詞、どうやったら思いつくのだろうか・・・ つくづく、天才としか言いようがないと思います。 このサビの歌詞といい、歌唱、サウンド、そしてラストでの転調といい、 とにかく全てにおいて力強くて、感動的としか言いようがない作品です。 中島みゆきさんのオリジナルアルバムの中では、 今のところ私的には、最高傑作です。といってもアルバムはまだ計5枚しか聴けておらず、 あと30枚以上聴けてない作品がありますが(汗) 少なくとも2000年代では、最高レベルの作品といっていいでしょう。
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2010年3月7日日曜日
[CDレビュー] 中島みゆき「転生」
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