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2011年4月29日金曜日

[CDレビュー]  little by little「Sweet Noodle Pop」


little by little「 Sweet Noodle Pop」
(2005/7/20) 

1. Sweet Noodle Pop
2. Just Like Eating Cheese 
3. CLOSER 
4. 悲しみをやさしさに 
5. ケチャップ
6. 雨上がりの急な坂道 
7. 僕はサテライト 
8. Ninja Kids 
9. シンクロ 
10. dept(インスト)
11. LOVE&PEACE 
12. home town 
13. ハミングバード 
14. アストロドッグ 
15. 開国ロック 
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)





2005年にリリースされた、little by littleの1stアルバム。
彼らの代表曲のサビの歌詞「悲しみをやさしさに 自分らしさを力に」というこのフレーズは
当時からすごく好きで、もちろん曲自体も大好きだったのにもかかわらず、
このアルバムはつい最近まで聴く機会がなかったわけですが、今回、聴いて本当に驚きました。
歌詞、作曲、編曲、歌唱などの全てにおいて、ここまでレベルが高いとは・・・
さらに全15曲もありながら、これだけ1曲1曲ごとに個性と魅力が際立っていて、
それでいて同時にどの曲もメロディアスさと聴きやすさも兼ね備えているというのが、
また素晴らしいとしか言いようがないです。


まず編曲に関しては、美しいギターの音色が響き、
その独特の浮遊感の中を突き進んでいくような感覚が心地よい
「シンクロ」は、これぞまさに芸術的といえる曲ですし、
それ以外の曲も、痛快なロックナンバーで、
それでいて1番と2番で微妙にアレンジが変わったりなどの
曲の展開の面白さも存分に味わえる「Just Like Eating Cheese」、
若さ溢れる歌詞とボーカル、そしてストリングスを交えたハードポップサウンドが一体となり、
聴けば心の底から元気が湧いてくるような曲「悲しみをやさしさに」、
ハードロック調のサウンドに、要所でエフェクトのかかったボーカルが乗っかかり、
そしてサビや曲ラストで一気に押しまくるような
曲展開とアレンジがこれまた見事な「Ninja Kids」、
さらにバラード曲においても、キーボード中心のアレンジに、
故郷を想う歌詞とボーカルの切ない歌唱が一体となり
何とも心に沁みる「home town」など、どれも本当にレベルが高い。


さらに、歌詞の比喩表現のうまさと、目のつけどころの多彩さは、
もはや日本トップクラスといえるでしょう。
まず1曲目の「Sweet Noodle Pop」は、なんとカップヌードルをテーマにした曲。
そして同時に、大好きなカップ麺を食べてみんな笑顔になるかのように、
音楽を通して笑顔を届けたいという、
彼らの思いが伝わってくるかのようなアルバムタイトル曲。
さらに2曲目の「Just Like Eating Cheese」では、
恋したいという女の子の気持ちを、チーズを食べるかのようにと例え、
3曲目「CLOSER」では、音楽を届けたいという気持ちを
9回裏にて出番を待ち続けるクローザー投手に例えたりと・・・
本当、どうやったらこんな発想が出てくるんだろうか。
我ら凡人にはとても作れないような歌詞ばかりです。これぞプロフェッショナル。
その後の曲も、5曲目の「ケチャップ」では、切なくて苦しいけど
それでも前に進みたいという気持ちを、なくなりかけのケチャップを絞る姿に例えたり、
14曲目の「アストロドッグ」ではペット用のロボットの姿を歌い、
さらにサビの「相棒」という歌詞は「AIBO」とかけてるのか?と思わせるところが
これまたうまいなと感じたりといったように、最後までその発想力は衰え知らず。


彼らのようなアーティストにこそ、J-POP界を背負って立つ存在になって欲しかった。
むしろ、これぐらいのレベルの曲が当たり前にヒットチャートを賑わすような世の中になって欲しい。
そうすれば、最近のJ-POPはつまらないだとか、アニソンの方がレベル高いとか
ニコニコ動画の曲の方がレベル高いとか(実際その通りだと思えてくるのが今の現状ですし)
そう思っている人たちの多くを満足させることができ、そして音楽界はもっと活気づいたはず。


これだけの作品を2005年にリリースしながら、今となってはすっかり活動が停滞し、
公式ブログは今や食べ物ブログとなってしまっている、そんな彼らの現状は残念としか言いようがない・・・


2011年4月28日木曜日

[CDレビュー]  JAM Project「JAM FIRST PROCESS」



JAM project「 JAM FIRST PROCESS(限定)」
 (2002/3/21) 

1. Ready Go!! ~Song for J’s 魂 
2. The End of Day ~女神クラウディアの選択~ 
3. NOTE
4. Girls be ambitious 
5. DESPERATE 
6. めぐり逢えた奇跡 
7. Super Soul 
8. Precious
9. 水に映る月 ~my heart 
10. Deep so deep
お気に入り度:★★★★★★★★ (8/10)





2002年にリリースされた、JAM projectの1stオリジナルアルバム。


去年リリースされたアルバム「MAXIMIZER」が公式サイトにて、
「JAM project初の完全オリジナルアルバム」と紹介され、
今回レビューするこのアルバムはなぜか無かったことになっているようですが、
(そうなった原因は、やはり別のレコード会社よりリリースされたからなのでしょうか?)
こちらこそが、正真正銘の1stオリジナルアルバムでございます。


しかし、あまりにスゴ過ぎた「MAXIMIZER」を聴いた後にこの作品を聴いてしまったせいで、
どうしても、2ndオリジナルアルバムに比べると・・・という感想を持ってしまいました。
そもそもこの作品は、ボーカルの各メンバー達がそれぞれほぼ1人で歌うという曲ばかりで、
メンバー達の声が曲の中で絶妙に絡んで合わさることによって起こるものというのがほとんど無い。
それが「MAXIMIZER」などの最近の彼らの作品との一番の大きな違いでしょう。
ただ、曲調の多彩さでいえば、むしろこの1stの方がわずかに上回っているのではと思います。
前後のベスト盤でみせたロックやポップスだけでなく、フォーク調の3曲目やピアノバラードの9曲目など、様々なジャンルに挑戦しているのが分かります。
しかし上記のそれらの曲も含めて、雰囲気は良いけどサビメロが微妙で印象に残りにくい曲が多かったのが残念。
さらに終盤に3曲連続でバラード曲が続き、その曲の出来についても微妙な感じを受けてしまいました。


それでも「Super Soul」1曲だけでこの作品を聞く価値があります。
メロディアスなロックサウンドと、曲の中で絶妙に絡むキーボードやブラスバンド、
そして魂のこもったボーカル、これらが一体となって合わさった破壊力、
やはりこういう曲こそが彼らの一番の魅力でしょう。それ以外の曲も、
影山さんが歌うロックバラード「The End of Day ~女神クラウディアの選択~」
現ANTHEM、元アニメタルのボーカルの坂本さんが歌うハードロック「DESPERATE」、
松本梨香さんが歌う、女性ボーカルオンリーのポップス曲「めぐり逢えた奇跡」などはどれも良い曲で、やはり聴いて損はなかったなと思わせてくれるものがありました。


彼らの原点を知る意味においては、1stベストアルバムと並んで必聴の作品といえるでしょう。


2011年4月25日月曜日

[CDレビュー]  JAM Project 「BEST Project ~JAM Project BEST COLLECTION~」



JAM Project 「 BEST Project ~JAM Project BEST COLLECTION~」
 (2002/3/6) 

1. CRUSH GEAR FIGHT! 
2. 鋼の救世主 
3. LADY FIGHTER! 
4. STORM 
5. FIRE WARS 
6. In my Heart
7. SOULTAKER 
8. 運命の糸 
9. TORNADO 
10. Danger Zone 
11. CRAZY REVOLUTION 
12. RISING
13. 愛だよねっ!! ~ギアをつなごう~ 
14. 疾風になれ 
15. Over the Top! 
16. POWER 
17. KI・ZU・NA 
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)




2002年にリリースされた、JAM projectの記念すべき1stベストアルバム。
ポップスやロックをベースとした、正統派のヒーローソングといった感じの曲が中心の内容です。
現在のような、圧倒的なまでの展開美や凄みを感じるような曲というのはまだほとんど無いですが、それでも1曲1曲はどれも粒揃い。
アレンジ面においては、今よりもギターの比重が少なく、その代わり、
1曲目や、さらには初期の名曲「STORM」に代表されるように、キーボードを多用したアレンジが多いのが特徴です。
2000年代リリースでありながら、90年代やそれ以前の雰囲気も感じられる作品となっていると思いました。
またこの頃はアニソン界の兄貴こと水木一郎さんも正式メンバーとして参加しており、
「STORM」や「TORNADO」といった曲では、まさにその貫禄というものを歌声から感じさせてくれます。


そんな今作の中で特に目立っていたのは、
もはやアニソンというよりはハリウッド映画の中などでも使われてよさそうな、
洋楽ハードロックテイストを感じる、影山ヒロノブさんのソロ曲「FIRE WARS」、
さらには、今作の中では一番メロスピ色の強い「Over the Top!」、
この2曲の迫力はすさまじいです。1stアルバムの時点からこんな熱い曲をやっていたなんて、
つくづくなんでもっと早く知らなかったのだろうかと思いましたね・・・