HIGH and MIGHTY COLOR「 swamp man」 (2009/9/2) 1. swamp man(インスト) 2. XYZ 3. good bye 4. eyes 5. fly me to other moon 6. pain 7. 7.2 8. hate 9. living 10. you お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10) 新ボーカルのHALCAさんを迎え、復活再始動した、HIGH and MIGHTY COLORの5thアルバム。 今作では、このアルバムのキャッチコピー通り、今までで一番ヘヴィさが前面に出たアルバムになっています。 といっても、個人的にはヘヴィなロックやメタルをやってるバンドの中には、 ただ叫んでるだけ、楽器鳴らしてるだけにしか聴こえないと思ってしまうような バンドもあるんですが、それに対して、このバンドのどこが素晴らしいかって言ったら、 どの曲においてもメロディの質が高いことと、それに加えて多種多様でなおかつ独創的な作品を作り続けているところ。 そもそも、バンドとしては未完成過ぎた1stアルバムの頃から、歌メロはとても良かった。 今作においてもそれは変わらず、まさに捨て曲無しのアルバムになってます。 特に、実質1曲目の「XYZ」は、今年を代表する私的名曲。文句無しに素晴らしい! しかし今作は、今までとは一つ大きく違う点として、 全体的にダークさに包まれたアルバムになっていると思いました。 今まででいう「DIVE into YOURSELF」などのような明るい曲は、ほとんど無いといっていいです。 疾走感ある曲調であっても、歌詞を見るとどこか陰の部分があるような、そんな感じ。 6曲目の「pain」はまさにこのアルバムの象徴的な曲。体を売る少女をテーマにした曲。 「愛だとか夢だとか 馬鹿にしてる」という歌詞は特に印象的でした。 こういう作品を作るアーティストって、最近のヒットチャートに上がってるような歌手にはほとんどいないですからね。 愛だとか夢だとかをいった歌詞をただ寄せ集めて大安売りしているかのような歌手や曲が売れてしまう現状だから・・・ なので、残念ながら売れる作品だとは思えないですが、でも個人的にはますます応援したいと思いました。 こういう作風のアルバムもそれはそれですごく魅力的だなと思いました。 ただ、アルバム全体にビシっと統一感がある分、今までのアルバムに比べると、 特に、大傑作だった2nd、3rdアルバムと比べると、多様性という点では少し落ちるかもしれません。 しかしそれでも、打ち込みの音から始まるディスコ調のサウンドに、 ヘヴィなギターサウンドを融合させ、これにフワフワとした独特の浮遊感のあるボーカルがからむ 「fly me to other moon」、は本当にすごいと思いました。 てか毎回アルバム曲にも、聴けば聴くほどすごいセンスだなと思う曲があるのですが(2ndの「背徳の情熱」など) 今作はこれです。今までこんな曲聴いたことないです! さらに、アコースティックギターの音から始まり、サビに向かうにつれどんどん激しくなっていく 「7.2」も独特な感じがして、良かったと思います。 ただ、新ボーカルのHALCAさんの歌唱については、まだムラがあるかなと思いました。 もう少し感情表現がうまくなればいいですね。 たとえ少しぐらい下手だと思われても、もっと感情を、魂を込めて歌えばいいと思います。 でもライブでの本人コメントを聞く限りでは、歌うことに対する真剣さは伝わってきたので、 これからのボーカリストとしての成長に期待したいです。 しかし、そんなのを補ってあり余るぐらいの、素晴らしいセンスを持った曲の集まるアルバムだと思います。 ただ、そのセンスが独特なので、評価が分かれてしまうのかもしれません。 特に、変な先入観でしかこのバンドを見れない一部メタル信者にはウケが悪いと思われるのは残念ですね。 アーティストとして、1stアルバムの頃からは比べ物にならないぐらい成長してるというのに・・・ この作品は、今までのみなさんの先入観とか抜きにして聴く価値があると思います。 特に、ロック系の曲が好きな人には本当におすすめしたいです。
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2009年9月27日日曜日
[CDレビュー] HIGH and MIGHTY COLOR 「swamp man」
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