Do As Infinity「 EIGHT (DVD付)」 (2011/1/19) 1. Baby! Baby! Baby! 2. Special 3. 1/100 4. Hand in Hand 5. ワンダフルライフ 6. 僕が描いてた僕 7. JIDAISHIN 8. Everything will be all right 9. Fly to the Freedom 10. Dear memories 11. 1176時間 12. 君がいない未来 お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10) Do As Infinityの再結成後2枚目、通算8枚目となるオリジナルアルバム。 この作品のリリース前のインタビューにて、今作はライブを意識した曲が多いということと、 前作アルバムでは、Do As Infinityはこうでなければならないみたいな思いが強すぎた、 などと語っているところを聞いた時点で、個人的にはかなり不安になったというか、 この時点で、大傑作だった前作を超えることはないだろうなと思ってしまったのですが・・・ しかし作品を聴いてみれば、作風こそ前作と変わったものの、 それでも今作なりに真剣に心を込めて作られたことが十分に伝わってくる、名作アルバムになったと思います。 まず今作では、まず歌詞が前作とは違い、等身大の人々の姿を歌った歌詞が多くなり、 そして曲調も含めて前向きで力強い曲が増えたのが特徴です。過去の作品に例えれば、 3rdアルバム「DEEP FOREST」に近い感じの作風になったと思いました。 さらに前作ではアッパーな曲が少なかったのに対して、今作ではまず1、2曲目から飛ばしまくってます。 強気な歌詞とブラスバンドを含めたサウンドで豪快に押しまくる「Baby! Baby! Baby!」 に始まり、疾走感抜群のロックチューンで、イントロの手拍子やサビのコーラス、 合いの手も聴いてて爽快な「Special」などは、ライブで盛り上がること確実な曲です。 その一方で、ミディアムバラードについても良い曲が何曲も収録されており、 その中でも、人と人とのつながりを歌い、広い意味での愛情や暖かさをしみじみと感じさせてくれる「Hand in Hand」は、アルバム曲の中でも屈指の名曲といっていいでしょう。 今作でも、どの曲においても曲の良さを最大限にひき立ててくれる伴ちゃんのボーカルは 天性のものといっていいですし、さらには、編曲のレベルの高さも相変わらず素晴らしいです。 最初サビだけ聴いた時は微妙だと思った「JIDAISHIN」も、フルで聴くと、 イントロやAメロの時点からドドドッと迫り来るようなギターサウンドに一気にもっていかれましたし、それ以外の曲も、理想の大人になれない自分を描いた「僕が描いてた僕」では、 心の奥深くが揺れ動いている姿を表しているかのような繊細なイントロと、しかしそれでも強く生きていこうという思いを感じさせるラストの力強いサビまでのこの流れが良い。 「Fly to the Freedom」では、まるで鳥が舞うかのように全編わたってストリングスが駆け抜け、そしてサビではバンドサウンドと一体になり、この瞬間まさに翼を広げて大空に羽ばたき突進していくかのよう。 このようにアルバム曲は編曲含めてどれも完成度が高く、もちろんその中にシングル曲もうまくハマっていて、さらには「君がいない未来」でアルバムのラストを締めるという構成も良かったです。 早くも、2011年の日本の音楽シーンを代表する作品がリリースされたと思います。 これを超える作品は2011年においてこれから先そうそう滅多に出るものではないでしょう。 彼らの作る曲は、J-POPとして最高レベルにあるということが聴けば一発で分かる、 十分素晴らしい作品なのですが・・・ 今作には、前作アルバムでいう「生まれゆくものたちへ」のような壮大なバラード曲や、 前作でいう「perfect world」、さらには「科学の夜」「空想旅団」などの、 歴代邦楽界殿堂入り級芸術作品に並ぶぐらいの曲は無かった気がしました。 それこそ今のJ-POPの次元を超えてしまうぐらいの、深い世界観やスケール感を感じる曲が無かった気がしました。 あえて挙げるならラストの「君がいない未来」は歌詞も含めてやはり何度聴いてもさすがだなと思う深いものを感じさせてくれますが、それでも、前作アルバムがあまりにも良すぎただけに、これ以上のものを期待せずにはいられない・・・ 世間的には、今作のような等身大の人々の姿を歌った曲たちの方が共感度が高いのかもしれませんが、私が求めているのはそれだけでは収まらないぐらいの、無限大の広がりを持った作品の数々なんだ・・・
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2011年1月29日土曜日
[CDレビュー] Do As Infinity「EIGHT」
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