JAM project「 JAM-ISM 〜JAM Project BEST COLLECTION III〜」 (2004/9/23) 1. VICTORY 2. 紅ノ牙 3. Voyager 4. Cry For The Earth 5. Dragon 6. Destination 7. 戦士よ眠れ… 8. 約束の地 9. 魔神見参!! 10. No Serenity 11. The Gate Of The Hell 12. Promise ~未来への誓い~ 13. 炎皇合神! ソルグラヴィオン!! 14. Peaceful One お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10) JAM projectの通算3枚目のベストアルバム。 このアルバムにて、彼らは音楽的に大きく進化したといっていいでしょう。 前作でも「SKILL」「FREEDOM」といった一部の曲に大作志向が見られましたが、 今作ではまず1曲目のシンフォニックロック「VICTORY」からして、最高にドラマチックでかっこいいです。 イントロや間奏もプログレッシブで、曲全体から、まるで銀河や宇宙を感じるかのような 壮大なスケール感のもとに歌われる、勝利への願いを込めた熱いメッセージには感動させられる。 さらには、荘厳なコーラスワークが印象的な、ミディアムテンポのメタルナンバーで まさに地獄が迫ってくるかのようなダークな世界観を描いた曲「The Gate Of The Hell」は、 アニソンというよりは、もはや聖飢魔IIの曲みたいで、これは子供たちが生で聴いたら 泣き出してしまうんじゃないかと思うぐらいの、すさまじい迫力を感じる。 そして唯一のアルバムオリジナル曲「Cry For The Earth」では、 この地球上で現実に数多く起きている戦争の愚かさを歌った、ハードロックバラード曲で、 まさにこの戦争で傷つけられた多くの人たちの叫び声が聴こえてくるかのような曲。 これらどれも超大作といっていい曲ばかりで、圧倒させられるものがあります。 そして曲種の幅においても、これまでにはなかったような新たな挑戦、そして進化が見られます。 その中でも5曲目の「Dragon」は、サウンドに東洋的な要素が入った曲で、 ポップでありながらも、同時にプログレッシブな曲展開を存分に感じることができる、 これぞ大傑作だといっていい曲でしょう。 さらには全英語詞の痛快ロックンロール「Voyager」のような曲もあれば、 まさかのカントリー風ナンバー「約束の地」といった曲もありで、聴いていて面白かったです。 もちろん王道ナンバーにおいても、 サビの疾走感がすさまじいメロスピ系の曲「炎皇合神! ソルグラヴィオン!!」、 少年の頃を思い出させてくれるかのような、懐かしい輝きを感じる女性ボーカル曲 「Destination」といった曲は特に良かったですし、そしてアルバムのラストには、 世界中の全ての人たちが幸せになるようにという願いが込められた、ミディアムバラード曲 「Peaceful One」にて大団円で締めくくるといった作品構成、これもまた良かったです。 7、12曲目のバラード曲が少し弱いかなと思った以外は、アルバム作品として完璧な内容といっていいでしょう。 ベスト盤でありながら、アルバム内での起承転結といったものも決まっていますし、 何よりここまで楽曲たちのレベルが高いのは驚きといっていい。これはもっと多くの人たちに聴いて欲しい作品です。 それこそ世界中の人たちに、彼らの願いが込められた曲が届けばと・・・
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2011年9月7日水曜日
[CDレビュー] JAM Project「JAM-ISM ~JAM Project BEST COLLECTION III~」
2011年9月4日日曜日
[CDレビュー] 特撮「5年後の世界」
特撮「 5年後の世界」 (2011/6/29) 1. 5年後の世界 2. オム・ライズ(011) 3. 林檎もぎれビーム! 4. 霧が晴れた日 5. 人として軸がぶれている 6. 空想ルンバ 7. 追想(インスト) 8. ヌイグルマー 9. ロコ!思うままに(011) 10. かってに改造してもいいぜ 11. Dead or Alive 12. メビウス荒野 ~絶望エピソード1~ 13. ルーズ ザ ウェイ(011) お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10) (2012年5月、レビュー文&お気に入り度を修正。 レビューを書いた当初は、今作の中にセルフカバー曲が3曲もあるとは知りませんでした・・・) 大槻ケンヂさん率いるパンクバンド、特撮の約6年ぶりとなるオリジナルアルバム。 2006年の筋肉少女帯の再結成後は活動休止状態となっていたバンドですが、 その後、アニメ「さよなら絶望先生」の主題歌として、「大槻ケンヂと絶望少女達」名義で リリースされた作品の数々を、特撮のメンバーが製作担当したことがきっかけで 今年から再始動されることとなり、そして今回のニューアルバムがリリースされました。 これは期待通り、いや期待以上の作品といっていいでしょう。まず序盤の1~3曲目からしてやられました。 激しいラウドロックやハードコアといった音楽の中に、ピアノの音が絡む「5年後の世界」、 電子音が絡む「オム・ライズ」、そして大槻ケンヂと絶望少女達の曲「林檎もぎれビーム!」 この流れからくる破壊力はすごい。序盤にしてテンション最高潮といっていい。 そしてその後の曲も、1~3曲目ほどのすさまじい激しさは無いものの、 どれも楽曲のレベルが高い曲ばかりで、最後まで飽きることなく聴ける作品です。 何よりこの作品は、アニメ関連の曲と特撮オリジナル曲がアルバムの中で見事に融合しているのがすごい。 そもそも「林檎もぎれビーム!」ぐらいぶっ飛んだアニソンを、並のアーティストのアルバムに入れたら、作品の中で浮いてしまいそうですが、このアルバムでは全くそんなことが無い。 これぞまさにオーケンワールド、タイアップ先がどこであろうが、ある意味統一された 独自の世界観というものを、作品全体から存分に感じることができます。 むしろ「人として軸がぶれている」のような、どこか屈折した感情を歌った曲は 前作の筋肉少女帯のアルバムでは鳴りを潜めていた要素であり、 そういう意味ではアニソンを歌ったことがきっかけで音楽的に原点回帰したといえるかもしれません。 アルバム全編を通して、相変わらず歌詞の質はすさまじく高いですし、 さらにサウンド面では、アルバム内の至るところでピアノが活躍しているのもこの作品の特徴でしょう。 11曲目の「Dead or Alive」はピアノロックといってもいいぐらいの曲。 さらには「霧が晴れた日」のような大作バラードも収録されていたりといったように、 従来のパンクバンドの枠にとらわれない、多彩かつ個性に溢れた曲の数々を作っているのも素晴らしかったです。 これは2011年の音楽シーンを代表する名盤といっていいかも!? ロックだとかパンクだとかアニソンだとかいった枠を超越した、名作アルバムといえるでしょう。
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