(前記事はこちら) ・和田アキ子 [セットリスト] ・黒い炎 ・古い日記 ・Stay With Me ・THE MUSIC ・プラウド・メアリー ・あの鐘を鳴らすのはあなた ・夢 まず冒頭VTRでの綾小路翔さんの紹介によると、 この日は「東京からたった2歩でここまで来てくれた」とのこと。これには早くも観客達が爆笑。 氣志團万博には今回が2度目の出演。昨年の自身の出演シーンを非常に気に入っているらしく、 その時のビデオはアッコさんの家に来た芸能人の皆さんにも見せているそうです。 「出川哲朗さんは500回ぐらい見せられた」うわぁそれはもはや拷問だな(笑) まずライブ前半は「♪あの頃は」「ハッ!」でおなじみの「古い日記」で 観客たちも一斉に「ハッ!」 この日歌われた計7曲の中でも一番の盛り上がりでした。 その後には、11月にリリース予定のニューアルバム「WADASOUL」から、洋楽カバー曲や オリジナルの新曲を披露し、ソウルシンガーとしての本領を発揮。 MCでは、今まで野外フェスにはこの氣志團万博しか出たことがないという話が。 その理由はしんどいかららしいです。さらには自身のオリジナルグッズのタオルに、 サインを書いて観客席に投げ入れるというファンサービスも行われました。 そしてタオルをキャッチしたお客さんにインタビュー。氣志團万博で誰を見に来たかを聞くと 「ももクロ」と答えたお客さんに対し、「そこは和田アキ子と言えよ!」 このツッコミには再び会場から笑いが。正直に答えてしまったばっかりに・・・ それでもラスト曲「夢」の前には、「みんなが幸せになるように」といった願いを お客さんたちに向けて語りかけるなどの優しい一面も見せていたのが印象的でした。 アッコさんの歌をライブで聴くのはもちろん初めてでしたが、あらためて生で聴いてみると パワフルかつハスキーで、味のある良いボーカリストだなと実感。 歌唱力自体は落ちたという声も聞くものの、ハスキーさが増したこともあり その歌声にはベテランならではの円熟味が出ていると感じさせられた。 元々女性歌手で似たような声質の歌手というのが他に思い浮かばないだけに、 ソウル・R&B系シンガーとしてもうちょい世間的に評価されてもいいのではと思いました。 ・聖飢魔Ⅱ [セットリスト] ・FIRE AFTER FIRE ・アダムの林檎 ・1999 SECRET OBJECT ・BRAND NEW SONG ・EL DORADO ・JACK THE RIPPER ・蝋人形の館~One Night Carnival~蝋人形の館 冒頭のVTRでは、ついにこの氣志團万博に悪魔を呼んでしまったと翔やんが紹介。 悪魔なので何をしでかすか分からない、もし1日目の最初に登場させて、 全員殺されてしまったら何も残らないから2日目の大トリにしたとのことらしいです。 大トリは当然ですよね。聖飢魔Ⅱがフェスのトリをとるというだけでここにきたようなものですから。 まず1曲目は「FIRE AFTER FIRE」。2010年に行った期間限定再結成ミサの時よりも はるかに間近でライブステージを見られて、それだけで感激。 そして1曲目が終わった後、デーモン閣下がリンゴの一種である紅玉を手に。 ミサが始まってからまだ5分位しか経ってないのに早くもあの名物掛け合いをやるのか! すぐさま閣下が「青森県南部地方および岩手県地方では、この紅玉のことを何と呼ぶか」 とお客さんに問いかける。これには「分からな~い」という声が上がったため、 閣下が正解を発表。その答えは「満紅(まんこう)」。これにはお客さん達から「え~っ!?」と驚きの声が。 そして閣下が紅玉のリンゴを手にしながら、お客さんとの間でコール&レスポンズを連発。 「お前らが今すぐにむしゃぶりつきたいもの、それは何だ!?」 「満紅!」 この日は男性客と女性客でそれぞれ別々にコール&レスポンズをする場面もありました。 「物心ついた時から気になってしょうがないもの、それは何だ!?」 「ま(以下省略) そして次曲の「アダムの林檎」へと続くという、この流れには非常に盛り上がりました。 「これだけ大声でまんこうと言える機会は無いだろ」そらそうだ、悪魔の計らいでもない限りは。 初めてミサを体験した人には忘れられない1日になったでしょうね! その後も「1999 SECRET OBJECT」や「EL DORADO」といった傑作メタルナンバーを 立て続けに披露。迫力満点のステージでした。技術もさることながら楽曲の質の高さ、 メロディの良さという点で、あらためて聖飢魔Ⅱは日本最強クラスのバンドだと実感。 デーモン閣下の歌唱も素晴らしかったです。「EL DORADO」のラストの大サビでは CD音源同様のハイトーンボイスが炸裂。「♪夢にまで見た エルドラドォ~~~ーーーッ!」 今までのミサではこの部分でキーが下がることもありましたが、やはり上がる方が圧倒的に良い。 楽器隊の演奏もハイレベル。特にギターのルーク篁さんによる間奏のギターソロは圧巻でした。 なおMCでの閣下の話によると、現在全国ツアー中なだけあってその疲れが残っている中での氣志團万博出演だったとのこと。 その疲れの出方についても「100045歳と100050歳では大きな違いがある」らしく、 1000050歳になると2日後に出てくるなどといった話をしていたのが印象的でしたが、 しかしそんな疲れなんてのは全く感じさせないほどの見事なステージでした! ラストナンバーは代表曲である「蝋人形の館」。さっそく曲が始まるかと思いきや その前に閣下が「パートタイム悪魔」たるものをステージ上に召喚。 モニター上では「鬼死團」「血の色クローバーMAD」「オーメン」という紹介で、 氣志團、ももいろクローバーZ、大槻ケンヂの計3組がそれぞれ悪魔に扮したメイクや衣装を着て ステージに登場いたしました。この豪華コラボには会場も大盛り上がり。 なおオーケン改めオーメンだけは、ど根性ガエルのTシャツ1枚のみの衣装で 登場したことを他のメンバーにツッコまれてました。なぜ1人だけそんな恰好なんだ!? その後には閣下の名ゼリフ「お前らも蝋人形にしてやろうか!」にかぶせる形で、 鬼死團の翔やんも決めゼリフを一言。「お前らもNHK出禁にしてやろうか!」 ヒエ~ッそれだけはご勘弁を!これには会場が恐怖(と笑い)に包まれました。 そしてこの計4組のコラボによる「蝋人形の館」が実現。 「♪裸の少女に迫る惨劇」の部分では血の色クローバーMADのメンバーが お客さん達の目の前で逆立ちをしたり、さらに曲後半の間奏部分では 「俺んとこ、来ないか?」という閣下の一言で一転して「One Night Carnival」 に突入したりと、まさに今この場でしか見られない超豪華コラボに興奮させられまくり。 同時に「One Night Carnival」ってこれほどまでの名曲だったのかと・・・ この氣志團万博のラストを飾るために作られた曲だと思えてくるほどでした。 聖飢魔Ⅱのミサ終了後は、氣志團とオーケンとももクロの皆さんがステージに残り、 万博最後の締めをすることに。翔やんの一言によりカウントダウンが始まり、 ゼロと同時に、海の方から打ち上げ花火が次々と・・・これには思わず感動しました。 花火を見ながら、あらためてこの氣志團万博は、なんて豪華で、 なおかつ作り手の皆さんの心がこもった素晴らしいフェスだったんだと・・・ この花火をもって全てが終わってしまうのが名残惜しい、 ずっと会場で楽しんでいたかった・・・そんなことを思ってしまい、 感極まって涙が出そうなほどだった。フェス系ライブでここまでの気持ちになったのは初めてだ。 氣志團万博は日本最高の音楽フェスだ。心からそう思いました。 ジャンルなんて関係ない、全て大好きな「歌」なんだという翔やんの想いをもとに、 計2日間にわたって、ロックやポップスやメタルやV系やアニソン系やアイドルなど 様々な個性と魅力に溢れた出演者達が登場。余計な壁なんてのは存在しない。 こういうフェスこそが日本の音楽フェスの主流になって欲しいとすら感じました。 特定の系統の人たちばかりが出演するフェスもそれはそれで魅力があるでしょうが、 だが少なくとも、今の夏フェス・野外フェスで最も自分向きだと思われるのはこの氣志團万博だ。 来年も行けるものなら行きたいです。同日開催のイナズマロックフェスにも興味がありますが・・
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2015年10月14日水曜日
[ライブレポ] 氣志團万博2015(和田アキ子、聖飢魔Ⅱ)
2012年7月11日水曜日
[CDレビュー] デーモン閣下「MYTHOLOGY」
デーモン閣下「 MYTHOLOGY
」 (2012/5/16) 1. BEYOND THE BLUE -藍のかなたへ- 2. 雷電為右衛門 3. A STORY OF THE AGES -神話溶融- 4. REBIRTH-DAY SONG 5. TATTOOS ON THE SKY 6. ようこそ 陰種島へ 7. Medleyさんちゃご ~神の王国をつくれ~ 8. 愛・希望・勇気 9. 冥界神-痺楽の聖壇- 10. LIFE VEST IS UNDER YOUR SEAT -救命胴衣は座席の下に- 11. RAINING IN THE SUNSHINE 12. Weasel Rock You 13. SOLA お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10) デーモン閣下の約9年ぶりのオリジナルアルバム。 ここ数年はガールズロックのカバー作品のリリースが続いていましたが、 そんな中で待ちに待ったオリジナル作品となったこの作品は、 邦楽界の様々なアーティストとのコラボと、海外の有名プロデューサー達による 編曲により作られた、歌劇ハードロックアルバムとなりました。 ジャンルや国境の壁を超えた、壮大なスケール感を持った作品がここに誕生いたしました。 まず今作のいわば象徴的な作品と言っていいのが、 3曲目の「A STORY OF THE AGES -神話溶融-」。この曲はまず作曲が、 まさかまさかの小室哲哉作曲。さらにゲストボーカルとして小柳ゆきを迎えたこの曲は、 2人の声のハーモニーと、叙情的なピアノの音がバンドサウンドに溶け込むことで 何ともいえない美しい世界を作り出している。名バラード曲です。 さらに4曲目「REBIRTH-DAY SONG」では女性R&BシンガーのMay Jとコラボ、 ほぼストリングス系の音のみをバックに、こちらも2人の声の美しさを存分に味わえる曲。 7曲目の、女性シンフォニックメタル歌手、LIV MOONとのコラボ曲は、 まさに本格的な、シンフォニックメタルの組曲のような曲構成となっていて、 6分半の曲ながらそれ以上の超大作感を感じる曲です。 この曲はミュージカルの劇中歌らしいですがそれも納得。 11曲目はピンク・レディーの未唯とコラボ、こちらも美しいロックバラード曲。 そして9曲目「冥界神-痺楽の聖壇-」はソロ曲ながら、 こちらもミュージカルの劇中歌となっている曲で、7曲目と比べると分かりやすい構成で それでいてメロディや編曲の良さが、今作の中でも屈指のハードロック曲です。 これらの曲は、まさに「歌劇ハードロック」と呼ぶにふさわしい曲ばかりでした。 そして今作は、歌劇系の曲以外の曲も、軒並み名曲ばかりです。 まず2曲目の、元ビーグルのヒダカトオルとのコラボ曲「雷電為右衛門」は 今作の中でも一番キャッチーで爽快感を感じるロックサウンドに乗せて、 「♪すもうとれ すもうとれ」と歌う、いわば自分の趣味に走りまくった曲です! しかし、相撲をテーマにした曲というのは、野球とかと比べると圧倒的に少ないので こういう曲は貴重ですし、何より閣下がすごく楽しそうなのが伝わってくる曲で、 これは同時に聴いている方も何だか楽しくなってくる曲だなと思いました。 さらに、5曲目「TATTOOS ON THE SKY」は、剣士の姿を歌ったハードロック曲で、 とてもカッコいい曲です。ラストのシャウトも最高に良い。 これは100050歳が歌ってるとは思えないぐらいに迫力満点でございますが、 なんとこの曲は、アニメのキャラソン。 これは言われなければどこからどう聴いてもキャラソンとは気づかないです! そして6曲目「ようこそ 陰種島へ」はニコニコ動画出身の歌い手、赤飯とのコラボ曲で、 ヘヴィロックに電子音が絡むサウンドと、インターネット社会の光と影を歌った歌詞が どちらも絶妙に面白い曲。タイトルからして見事なセンスを感じる曲です。 8曲目「愛・希望・勇気」では、こんなタイトルでありながら曲の中身は 原発などの社会問題について歌った曲で、今の日本社会を斬った歌詞が印象的。 この発想はさすが悪魔だなといえる曲でございます。 そんな今作を締めくくる、ラスト曲は「SOLA」。 今作の中では2曲目と並ぶぐらいにポップな曲ながら、同時に抜群のスケール感を感じる 力強いバンドサウンドと、力強い歌詞に励まされる、聴いていて勇気をもらえる曲です。 これはまるで、この広い大空の上から女神様が力強く歌いかけてくれているかのよう。 歌っているのは悪魔なのに。天使のような悪魔です。 この大作アルバムのラストナンバーにふさわしい、素晴らしい曲だなと思いました。 こんな傑作アルバムをリリースしていながら・・・ 世間一般では、音楽ファンですらこの作品を知らない人が多いと思われるのは本当に残念。 こんなにも、個人(人ではなく悪魔だけど)としての知名度と、 楽曲の知名度が比例していないアーティストというのは珍しいと思います。 相撲解説者として以上にミュージシャンとしてもっと評価されるべき。あらためてそう強く思いました。
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