ガガガSP「 無責任一家総動員」 (2005/3/9) 1. 祭りの準備 2. ヘイミスターアンダーグラウンドマン 3. 私鉄沿線 4. 僕は君のおもかげを追っているんだろう 5. 新・ドント節 6. はじめて君としゃべった 7. 雨の日曜日 8. 神戸無責任時代 9. 忘れられない日々 10. 恋にいのちを 11. 祭りの本番 お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10) ガガガSPの通算4枚目のアルバム。 前作のアルバムでは、これでもかとばかりに尖りまくった、 弱男の叫びだとでもいうような荒々しさがあったのに対し、 今作ではそういう要素は薄れたものの、その代わりに音楽性の幅が広がり、 今までにはなかったような一面も見せてくれたのが良かったです。 彼らの曲にしては珍しいぐらいに明るさ全開で恋を歌った 「ヘイミスターアンダーグラウンドマン」、 激しいハードコア調のサウンドに、「ワッショイ!」という、 まさに祭りを思わせるような掛け声が盛り上がる ラスト曲「祭りの本番」などが良い。さらに4.10曲目などのバラード曲も、 一昔前のフォークのような雰囲気があり、アルバムの中でいい味を出しています。 結成当時から、パンクと昭和フォークの融合という独自のスタイルの音楽を 作っていたバンドですが、このアルバムでは、昭和の音楽を 現代風のバンドサウンドにアレンジして甦らせるというコンセプトを 今まで以上に存分に感じることができる作品となっています。 5曲目に植木等さんのカバー曲があることからもそれが分かる。 そして、今作の楽曲の中でも一番素晴らしいと感じたのは、 昭和のGS(グループサウンズ)風のイントロから始まる、 痛快なバンクナンバーの8曲目「神戸無責任時代」でしょう。 後にこの曲は別バージョン「全国無責任時代」として シングルカットされ、アニメ主題歌にも起用されたりするわけですが、 この曲はサウンドもさることながら、歌詞が特に良いです。 「心配なんちゅうもんは全部ギャグ ネタが一つ増えたと思ったらいいのさ」 このフレーズには、個人的にどれだけ救われたか・・・ 今作のリリース直後に、ボーカルのコザック前田さんは パニック症候群が原因で活動を一旦休止してしまうわけですが、 それだけにこの曲の歌詞は、いろいろと苦しかった自分にも言い聞かせてるように思えてくる。 かねてから曲の中で自らを「弱男」と公言し、自身の弱さを認めた上で、 音楽というものを通して、そんな自分のやるせない思いや、魂の叫びを放つ。 これは決してただバカ騒ぎしているだけの音楽ではないです。 たとえボーカルの音程や演奏がちょっとぐらい外れてても、 彼らの一生懸命さというものが伝わってくるから、心に響く。本当に共感できる。 これこそが音楽の力、やっぱり素晴らしいなと思います。
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